閉めかけのドア

884 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/09/08 15:37
自分が中学生の頃の体験談。
よく晴れた日で、時間は14:30ぐらいでした。平日の昼間なので両親は勤めに出てて、
3つ上の姉も当然学校へ。自分だけはたまたま開校記念日ということで学校は休みだった。
まあ部屋の中でダラダラとドラゴンボールとか読んでたんですが、飲み物が欲しくなって
2階の自室を出て階下の台所へ。麦茶を飲んだあと、ついでと思って台所の蛇口で
顔をパシャパシャ洗って2階へと戻ったわけですが。

自室に入りドアを閉めようとしましたが、その時あることに気がついたのですよ。そう、
台所に忘れ物をしてきた! 顔を洗う時にはずしたメガネをそこに置きっぱなしでした。
「ああもう、なにやってんだよ俺!」とつぶやき、あと数センチでかっちりと閉まる
ほぼ閉めかけのドアを、逆にちょっとした勢いでバァンと開け放ったのです。そしたら。

外へ勢いよく開くはずのドアが、半分ほど開いたとこでごずっ、という変な音と共に
止まりました。それと同時にそのドアの向こうで
「づふ」
といういやに低い声がしたのです。(その発音に関しては正確な表現・表記がムズいので
しいていえば上記のが一番近いかと。男の声か女の声かも判別できず)
この家には今、俺しかいないんだよ。なんだこれは。
しかも、距離的に考えれば俺とその声の発生源とは40cmも離れてない。間にドアが一枚
あるっていうただそれだけのもの。途端にゾワァっときた。 

論理的に思考するより早く、俺はこの状態を打破しようとしてそれはもう大声で
「なんだよおいちょっとこらああ!!」と我ながら訳もわからんことを叫んでドアを
足で蹴り開けたのでした。半分パニクってたわけですが、おそらく本能的にこういう時は
攻めにでないとだめだと判断したんでしょうね。ここで守りに入ったらなんかもっと
やばい事態がおきるかも、という感覚があったんでしょう。

で、今度こそドアは最後まで開ききったわけですが、当然そこには誰もいない。
その日はそれ以降、部屋のラジカセ大音量で流してドアは開けっ放し。ドアに背を向けずに
片手には剣道の竹刀を持ちつつビクビクしながら両親の帰りを待ったのでした・・・
これが今までで唯一の体験談。当事者としてはもうほんのりどこの騒ぎじゃなかったが、
書くとそんなに伝わらないかとも思うのでこっちに告白。 

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