精神治療

278:本当にあった怖い名無し:2009/02/04(水) 22:08:43 ID:AMJVz08Y0
スレチだったらゴメン 

コーチングをしている知り合い(K)の話 

※コーチング…コーチ(聞き手)との問答による精神治療、セラピーみたいなもの 

知り合いの顧客の中にベンチャー企業の社長をしている方(Aさん)がいた。 
結婚していて息子一人娘一人の二人の子がいて、とても幸せそうな家族だったのだが、 
不況の煽りで自分の会社を倒産しなければならなくなった。 
倒産手続きは一年弱と長期に渡り、
肉体的にも精神的にもクタクタになりながらもようやく完了した。 
子供たちの学費や家のローン等職を失った今、これからの不安が尽きることは無かったが 
倒産手続きを終えた時思ったことは、 

 「とにかくゆっくりしたい・・・」。 

何を甘えてるんだと思いながらも、それが正直な気持ちだった。 
思い切って奥さんにその旨を伝えると、 

 「…わかった。少し休んだら、これからの事考えようね。」 

夫のことをいたわってか、快く了承してくれたらしい。 
その翌日、Kのところでコーチングをして帰ろうとした時、携帯にメールが入った。 
差出人は奥さんだった。何だろう、と立ち止まってメールを読んでみる。 

今日、求人雑誌を買ってきました。 
あなたが職を失った今、パートで 
もしなきゃと思ったからです。 
これからは食事とか生活面を見直 
さなければいけませんね。 
今までみたいに贅沢はしてられま 
せん。せめて子供たちが今通って 
る学校の学費は払えるようにした 
いね。 
あの子達とても不安がってるから 
。 
昨日あなたはゆっくりしたいと言 
っていましたね。これから家がど 
うなるのかわからないのに。貯金 
も切り崩していかなきゃいけない 
し自分たちがこれから生きていけ 
るのかわからないのに。こういう 
状況の中であなたはゆっくりした 
いと言った。 

私あなたを殺してやりたいって思 
う 

Aさんは軽いパニック状態を起こしながら、Kのところへ戻ってきたそうだ。 
事情を聞き、断りを入れてメールを読んだKは私との話で 
「背筋が凍るとはまさにあのことだった。」という。 
 ここで再度Kはコーチングを始め、Aさんは徐々に落ち着きを取り戻した。 
KはAさんにこんな質問を投げかけた。 

 「奥さん、何で殺してやりたいって言ったと思います?」 

 「…たぶん……不安なんだと思います。」 

Kも同意見だった。突然の環境の変化、将来の不安に押しつぶされまいと 
平静を装ってきた奥さんもついに我慢できなくなり、つい直接的な言葉を使ってしまった。 
 その後は奥さんもコーチングに同行してもらい、夫婦でいっしょに心の不安を取り除いて 
いったそうだ。Kはこの出来事を教訓にしている。 

言葉は感情の裏返し。 

この事に気づかず、もしAさんが奥さんの言葉をそのまま受け取って 
いたら最悪、事件に発展したかもしれない。 

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