手が

562 名前:547 :02/08/20 00:41
それは今から10年ぐらい前の事だと思います。もう記憶が定かではないのですが
起こった事だけは今も覚えています。
この話は、実は口外してはいけない事になっています。
別に読んだら呪われるとかそういった類ではなく
身内の事なので、あまり表に出したくないのが本音のようです。
しかし、ここに書いても個人を特定される事はないでしょうから問題ないと考えます。

盆前のある日の夜、私は自分の部屋の布団の中で眠っていました。
すると、突然スッキリと目が覚めたのです。
かなり意識がはっきりとしてました。
その瞬間「あ・・・金縛りになる・・・」と気づいたのです。
今まで何回か金縛りになったのですが。毎回なぜかイヤな予感がするので
金縛りになる寸前にわかるようになってたのです。
やはりその時も、目が覚めて数秒後に金縛りになりました。
今までは金縛りになってもあまり怖い目には遭った事はありません。
部屋の隅でボソボソと声が聞こえたり、顔の前に何者かの気配を感じた程度ですが
この時は違いました。
「ギシッ・・・ギシッ・・・」と誰かが階段を上ってくる音が聞こえ。
いきなり誰かが私のお腹の上で足ふみのような事を始めました。
私のベッドはかなり高さがあり、屋根から布団までは(今から計ってみます)
80cm程度ですね。それぐらいしかありません。
つまり私の上に立って足ふみをするのは、普通の人間にはできないと思います。
結構長い間足ふみされたと思いますが、それが終わりました。
すると次は、顔の前に誰かがいる気配がします。
そして、「ハァー、ハァー、ハァー」と荒い息が聞こえた後に、それはいなくなりました。
「あぁ~良かった・・・いなくなった・・・」と思ってると
隣の部屋で寝てた母が急に「ゲホッ・・・ゲホッ・・・ウゥゥゥ」と苦しみだしました。
私はさっき階段を上がってきたのは実は泥棒か何かで、金縛りとは無関係なのかと思って怖くなり。
母の部屋をそっと覗いてみました。
すると廊下の明かりに照らされて、母が見えたのですが。
ベッドの上で手を前に突き出しバタバタさせ、苦しがっています。

どうやら泥棒とかではないようですが、よく見ると
首を絞めている手が見えます。母はその手を掴もうとしていましたが。
その手は肘ほどまでしかなく、母の手は空を切りバタバタとしていました。
私はあまりの事に、何も出来ずただ呆然と見ているしかできませんでした。
しばらく見ていると手がスーーと消え、母がムクッと起き上がり。
廊下に立っている自分に気づかないかのように、部屋を出て階段を下りていきました。
私は一人になるのが怖くなり、続いて階段を下りていきました。
下に行くと、母はキッチンで水を飲んでいました。
そして、私の方を見て「もう寝なさい」と何もなかったかのように言いました。
仕方なく私は自分の部屋に戻り布団に入りましたが。その日は結局は寝る事ができませんでした。

次の日、母に昨夜の事を聞くと、
実は3日前から毎夜に首を絞められていたそうです。
その後の事は母から聞いただけなのですが。
その日、知り合いに紹介された霊能者の所に行ったそうです。
今までの事は説明すると、霊能者は
「あなたの兄の奥さんのお兄さんが、首吊り自殺されたようだが
長い間墓参りに来てもらっていないので怒っている」と言われたらしいです。
身内を回ったが誰にも気づいてもらえず、私の母の所に来たという事みたいですね。
さすがにこの話を兄の奥さんに言うのは気が引けたそうですが。
自分の命には変えられないということで、電話で兄の奥さんに尋ねたら事実だったようです
次の日、みんなで墓参りに行ったらしいです。
それからは何事もなく生活できています。
乱文でごめんなさい。急いで書いたものでご勘弁下さい。 

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