別荘地

603 別荘地① sage 2011/01/04(火) 04:25:54 ID:GfXtakX/0

俺の家は代々地主で田舎に結構な土地を持っている。 
その土地は開拓すれば自分の土地になる時代に先代ががんばって切り開いた土地だと。 
東京からも近いので今ではかなりの別荘が立ち並んでいるが、シーズン以外は結構閑散としている。 
そんな別荘地で、俺はいろいろ怖いことやUFO的なことも経験しているがその中でも印象に残っていることの一つ。

俺はイングリッシュセッターという大型犬を飼っている、 
この犬はガンドックと言われる鳥猟犬なので、一日の運動量がすごいうえに7歳まで無邪気な犬。 
なので最低でも1時間は散歩に行かなければならない(運動が足りないと吠え出す)。 

たいてい仕事が終わってからなので夕方に散歩することになっている。 
一応自分の土地の見回りもかねているので重要な仕事。 

その日は2月で、いつも通り5時ころ散歩に出かけた。 
5時となるとかなり日も落ちてくるので、surefireの8NX415というSWATや軍隊が使っているライトを持ち歩いていた。

別荘地なので手入れされた林が基本的な風景、そこに家がちらほら建っている。 
避暑地なので冬は人がほとんど来ないので結構さびしい場所、2月となると30cmは雪が積もっている。 
一番奥の家まで来て折り返そうとしたとき、その家に灯りがともっているのに気づいた。 
あれ、こんな時期に誰か着てるのかな珍しい、 
しかもおかしい点に気づいた、その家の駐車場には車がないうえに雪にも車のタイヤの後も足跡もない。 

別荘地に多い空き巣狙いの泥棒が入ったのか?とまず疑ったが、足跡もないのでそれもおかしい。 
しかもその電気は赤っぽい電気でなんか不気味な感じだった。 

ずーーっと見ていても動きがないので非常灯かなにかがついたのだと解釈して暗がりの中家に帰った。 

次の日も同じ時間帯に散歩にいった、いつも通り一番奥の家までつき、
昨日気になっていた謎の光りがあった窓を見てみると何もない。 
やはり非常灯がついていただけか、と結論付け帰路に着いた。 
別の家でまたあの光を目撃することになった。それは奥から二番目の家で最初の家からは100mは離れている。 
同じような赤い光が窓から見える、昨日と違う点はその光が動いていたこと。 
カーテンは閉まっているのでカーテン越しに赤い光が移動しているのが見える。 
俺はキョトンとしてしまい、なにをしていいかわからなくなった。 
あれは泥棒か?だとしたら怖いが通報しないと、警察は30分で来るだろう。 
でもあまり騒ぎを起こすと、土地の評判が落ちるので慎重に動かないといけない。 
不安になった俺は犬を見る、犬はいつも通り地面のにおいを嗅いだりしているだけで警戒したようすはない。 
犬に勇気付けられとりあえず、様子見ということで光の正体を確認してから警察に通報することにした。 
家が見渡せるところまで移動し木の影から様子を伺う。 

赤い光は見えなくなったりまた見えたりと何かを探している様子に見えた。 
数分すると光は一階から二階に移動したようでまたゆらゆらしているのが見える。 
俺は木の陰から観察していたが段々それが泥棒じゃないと感じ始め、徐々に別の恐怖を感じ始めた。 
その光の動きが人間の動きにはみえない異様な動き方をしている。。 
人間がライトを持って移動している動きではなく、ふらふらゆらゆらしてなにか実体のないホコリのような動き。 
俺は犬を触りながら気を静めようとしたが得体の知れない光と誰もいない林の中で自分ひとりの状況に震えながら家を見守った。 
そうこうしていると光が二階の東側窓の前で止まった、すると今度はカーテンがゆらゆらゆれだし 
なにか人の手のようなものがちらちらしている。やはり泥棒か?!と俺は思ったがやはりおかしい 
その手はちらちらカーテンからみえ隠れしているがずっと同じ動きをしている。 
手を上下に動かしているように見えるが。。。えっ?俺に手招き? 
その手は俺に向かって手招きしているように見えた。。。それを意識した瞬間ゾクッ全身悪寒が走った。 
うわっやばい。。。俺は猛ダッシュ、犬を引きずるように必死に家まで走破。 

帰った早々、台所にいた母親に警察を呼んでと大声で言った、親父がどうしたどうしたとあわてて聞いてきた。 
見たことを話すと、母親は怖いから警察呼びましょう。といったが 
親父は警察は呼ばないとかたくなに言い張った、母と二人で評判を落としたくないいつもの頑固が出たとあきれたが 
とりあえず親父が言い出したら聞かないので警察は呼ばなかったが。 

その後、夕食を食べながら泥棒だったらどうするんだって話になったが 
父はあれは泥棒じゃないから変なうわさを立てないほうがいいと強く言い張っていた。 
どうやら父はそれを知っているらしかったが、なんなのかは具体的に聞くとわからんというだけ。 
臆病な母親は幽霊かもしれないとおびえて言っていたが、俺も内心それしか頭に浮かばなかったが口には出さずにしていた。 

fin 

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