妹の部屋の位置

277 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/04/30 23:45
妹の部屋の話。
彼女の部屋は北向きで、仏間の真上に位置する為か、妙なことが時々起こる。
夏休みのある日の昼のこと。弟がその部屋の前を通りかかると、戸が半開きになって
いた。何気なく中を見ると、妹のベッドの上に知らない女がいる。女は、ベッドから
上半身がずり落ちそうな体勢で、仰向けに横たわっていた。長く黒い乱れ髪が床の上
に広がっている。女は弟に気付く様子もなくただ宙を見つめ続け、弟がふと視線を逸
らした一瞬の隙に姿を消した。弟はそれを気のせいだと思い、誰にも話さなかった。

それから2日たった昼のこと。私がその部屋の前を通りかかると、またもや戸が半開
きになっている。私は、ベッドの向う端にいる女を見た。床に座ってあごをベッドに
乗せている。真っ黒な長い髪が、ベッドの上に乱れかかっている。女は、なにかを見
ているようで何も見ていないような目を、宙に投げかけていた。
私は慌てて部屋の戸を閉め、弟に自分が今見たものの話をした。すると前述のように、
彼も同じような体験をしていることと、女の外見が一致していることがわかった。
私たちは、妹にこのことを伝えるべきかどうかを話し合った。
結局、変に怯えさせることもあるまい、様子がおかしくなったら話そう、と結論を出
した。そして、戸が開いていたら中を見ずに閉めよう、と。

「最近、妙に変な夢ばっかり見てさー。よく眠れないんだよね」と妹が言ったのは、
それから3ヶ月後のこと。「実は…」と話した私と弟は、彼女から平等に飛び蹴りを
いただきました。 

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