南無妙法蓮華経

594 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/06/06(水) 17:50
5年前、俺が高校1年の時に家の建て替えの為に
車で10分の場所にある祖父の家のはなれを借りて住んでいた時の話。

元々そのはなれは昔、母が子供だった頃、
牛小屋だった場所を改造して人が住める様にした所で、
部屋は八畳部屋が二つとキッチンのみの作り。
トイレは外にある汲み取り式のトイレ。
はなれと言っても普通に呼べば祖父や祖母が
返事するくらいの距離しか離れていない。
ある日、部屋でゲーム○ーイで遊んでいた時の事。
隣の部屋では母や弟がTVを見ている。
突然、外から何かを喋っている様な声が聞こえてきた。
初めはかなり小さな声で、遠い場所から聞こえてくるカンジだった。
その声がだんだん近づいて大きくなっていき、
声が鮮明に聞こえるようになって
はじめて何を喋っているかが分かった。
「南無妙法蓮華経般若~」
とお経を読む声が!
どんどん声が近づいていき、部屋中に響き渡るカンジで
延々とお経だけが木霊していた。
慌てて部屋を出て、隣の部屋に行き母や弟に
「お経が!お経が!!」
とパニックになりながら言うと、
「そんなもの聞こえなかったよ。」
と母が言った。
あってないような壁で隔てられているとは言え、
聞こえないはずが無い。
外では祖父が作業をしていたが、
祖父もそんな声は聞いていないと言う。
右翼の車か?とも思ったが右翼がお経を流す訳が無い。
なにより俺以外誰も聞いていないと言う。

その部屋は俺と弟が寝る部屋だったので、
その日は一睡も出来なかったよ。 

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