青崩隧道

57 : 本当にあった怖い名無し : 2011/10/07(金) 13:37:31.79 ID:km8eN5VT0
丹沢の核心部、ユーシン(幽深)渓谷に向かう林道の途中に青崩隧道がある。 
今は危険なので通行禁止になっているけど、数年前はまだ通ることが出来た。 
その頃、一度おかしな体験をした事がある。 

この隧道、素掘りで左にカーブしており、完全な暗闇になるので懐中電灯等が必須。 
玄倉側から入って少し先に小さな穴が開いているが、灯り取りとしては役立っていない。 
ちなみにこの小窓は人が屈んで通れるぐらいの大きさで、外を眺めることが出来る。 

数年前の紅葉の頃、蛭ヶ岳に登る途中で青崩隋道にさしかかった。ふと見ると入口の 
岩避けの下に一組のカップルがたたずんでいる。内心このリア獣めとか思いながら、 
笑顔で声をかけると、真っ暗なので途中で引き返してきたとの事。 
ヘッドライトがあるので一緒に行ってみましょうかと誘った。 
中に入ると空気が違い、ひんやりと静かで、雫が落ちる音と足音だけが反響していた。 
暗闇の中、例の小窓から外を眺めてみると、下はかなりの高度で切り落ちている。 
眼下の玄倉川はガスって見えず、対岸の尾根の上が棚状に広がっており、秋の花が 
咲いていた。渓谷の岸壁に紅葉が映えて美しい。うわっ良い感じのテラスだ。 
そんなこんなで、隧道を出たところで何事もなくカップルと挨拶して別れたわけ。 

ところで、ユーシン側の出口から振り返ると、隧道を掘削した仏岩の巨体が見える。 
その中腹に例の小窓がぽっかりと開いている。 
良くこんなところに道を通したもんだと、切り立った巨大な仏岩を眺めているうちに、 
小窓の対岸にテラスなんて見当たらない事に気がついた。 
そもそも渓谷にガスはかかっておらず、どう見ても尾根が崩壊した崖があるだけ。 
何かよう分からんかったけど実害はないので、そのままユーシンロッジまで行って一泊。 
宿にいる間だんだん気になってきたので、帰りに確かめよう思ったわけだが、 
この時は蛭ヶ岳-檜洞丸-西丹沢とつないで下山したので確認できず。 
そうこうしているうちに隧道自体が通行禁止になってしまったw 

もう一度見たいのだが、 
今調べたら新しいトンネル掘ってるので、もうあそこには行けないのね。 
隧道崩落の危険があるけど、誰か凸したい人がいたらレポよろしこ。 

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