喪服

15:02/10(日) 14:06 WBbNv2Hx0 [sage] 
じゃ、新スレ記念におかんが経験した怖い?話を。 

うちの地元に、標高600メートルぐらいの山があるんだ。登山道まで車で行けるし、滝あるし、ルートによっては7キロぐらいの縦走ができるしと、適度な登山気分を味わえるって事で、最近では中高年の登山者が車で2~3時間かけて来る事も多い 
らしい。 

で、おかんは散歩みたいな感じでよくその山に登りに行くそうだ。その日もいつもと変わりなく、上を目指して林道を歩いていた。 
と、しばらく行ったところで、上から誰かが歩いて来る。平日で、おかん以外には駐車場に車もなく、最初地元の人かなと思った。でも、だんだん近づいてくると、すぐに地元の人ではないとわかった。 

その人30~40ぐらいの中年女性なんだけど、黒いハイヒールに黒い上下の衣装。 
喪服を着てたんだ。平日の昼下がり、人気のない林道をうつむき加減に降りてくる喪服の女。おかんもさすがに気味が悪かったらしく、車一台通れるぐらいの林道の端によりつつ、おっかなびっくり登っていき、そしてすれ違うとき、「こんにちはー」ってあいさつした。 

女は、何も言わず静かに会釈して、そのまま降りていったそうだ。 

おかんはしばらくそのまま登り、中腹にある滝の所まで行き、ひとしきり散策してから下山し、駐車場に戻った。その間誰とも会わず、さっきの女もいなかった。今日は変なの見たなーと思いつつ、車に乗った。 

駐車場から麓の集落まで、林道を車で5分ほど。集落までもうすぐというところに池とキャンプ場があるんだ。その池がまた夜になるといい雰囲気なんだけど。 

で、おかんが車で池のほとりにさしかかったとき、誰かが手を振っている。なんだろうと思って近づいていくと、さっきの喪服の女が、道に一人つったって手を振っていたんだ。 
こっちに向けて。 

これにはおかんもギョッとしたらしいが、素通りするのもなんなので、おそるおそる喪服女の所で車を止め、話しかけた「あのー、どうしました?」 

喪服女「助かったー!ありがとうございます!」 

話を聞くと、喪服女はそこから遠く離れた都市から来たという。親戚の葬式で麓の集落に来たついでに、前々から話に聞いていたその山に行ってみたいと思い、親戚に乗せてもらって来て、山を散策したはいいが、迎えがこない。仕方がなく集落に向けて歩きだしたらしいが、ハイヒールで、しかも普段運動などしない女の人。池まで来てもう歩けなくなってしまった。 
そこに偶然通りがかったのが、うちのおかんだったと。 

おかん「山に喪服でくるなんてねー」と苦笑してました。自分も子供達だけで登ってたら、ハイヒールにワンピースといった衣装のおばさん集団が登ってくるの見て、「危ねー」と思ったの思い出しました。途中には苔がむして滑りやすい岩場などあるので・・・。 

ちなみにおかん、若い頃は立山連峰縦走したり、山小屋でアルバイトしたり、残雪でスキーしてたりと、かなりの山女だったそうで、その時体験した話も何個か聞いたことあります。 
それ聞く度に、敵わないと思う訳ですが(笑) 

以上です。長文&乱文ごめんなさい。 

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