ダケカンバの夢

36 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:04/12/13 23:58:40 ID:9BK7vItY
「自宅でダケカンバの夢を見て目が覚める事があるんです。 
山小屋の前にあるキャンプ場に立っているダケカンバです。 
この夢を見ると何かが起きる前兆で、急いで山小屋に行きます。」 
一番初めにダケカンバの夢を見たのは10年ほど前だった。 
青い空にすっくと伸びた黄色い樹皮のダケカンバが現れた。 
一体なんだろうと思いながらも、気になるので山小屋に車を 
飛ばして出かけると、山道で捻挫をして蹲っている登山者がいた。 
登山者を担いで車に乗せ、病院まで送ってあげた。 
暫くして、またダケカンバの夢を見た。 
やはり気になって山小屋に行くと、発電機が壊されていた。 
数日後に中学生らの団体登山が来る予定があるのだった。 
知らずにいたら、食事も出せないところだった。 

ある年の冬、やはり夢の後に山小屋に向かって急いでいたが、 
雪が深くてなかなかたどり着けなかった。 
ようやく到着したら、付近で雪崩が起きて遭難が発生していた。 
「もう少し早ければ、助けられたかもしれない。残念だった」 

そもそもこの山小屋のダケカンバは、伐られる運命にあった。 
10年ほど前、キャンプ場を作る時、営林署の指導で枝が落ちると 
危ないと言われ、8本のダケカンバを伐り倒した。 
最後の9本目を伐ろうとした時、急に伐る気力が失せ、残した。 
「あんまり立派だったから、伐るのがもったいなくなったのかも」 
それ以来である。ダケカンバが夢に現れるようになったのは。 

小平さんはダケカンバにシメ縄を張り、お神酒をあげるなどして 
小屋の守り神のように大切にしてきた。 
去年のこと、どうも体が疲れやすいと思っていたら、また夢に 
ダケカンバが現れた。そして何故か、病院に行こうと思った。 
「医者に診て貰ったら糖尿でした。血糖値が748にもなって 
いて、普通の人なら昏睡状態だと言われました。ダケカンバに 
命を救われたと思っています」 

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