自殺の真相

185 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/06(水) 15:56:07.52 ID:JN2TkoP+0
いっ君話は前回でラストにするはずでしたが、投下させて下さい。(駄文で本当にすみません) 
宇宙人と知り合い?(>>61-62)&予知能力者だったいっ君は、 
小学校を卒業する頃には不思議な力も無くなり所謂「普通の子」になっていきました。 
元担任ケイコ先生の自殺がきっかけだったのかもしれません。 
(今思い出すと、人付き合いの無い地域だったせいもあるのかもしれない;) 
ケイコ先生の自殺の真相を知っているのは、いっ君とみこちゃんと自分の三人だけです。 

小二の夏休み明けの話。 
自分達の通っていた小学校は、夏休みの自由研究の評価が厳しかった。 
「工作キットを買うのは手抜きとみなして0点にします」 
「誰かに作ってもらうのもズルとみなし0点」 
担任だったケイコ先生はそう宣言していた。 
いっ君は本物そっくりのきれいな青い蝶を標本にして提出した。 
クラスの皆が「きれいだね~」と感心していると、ケイコ先生が怒り出す。 
「いっ君、誰かに作ってもらったよね!」と先生は決めつけ、いっ君は困ってしまった。 
「虫を殺して、ピンで止めるのはとても、とても、かわいそうですね」 
「皆も決して生き物をかすはずみで傷つけてはいけません」 
ケイコ先生は虫が大の苦手で、よくニセモノの蝶を見ずにプンプン怒っていた。 
おそらく、これはいっ君の嫌がらせか何かだと思っていたのかもしれない。 
「はい、皆。帰りの会が終わったら、この蝶のお墓を作りましょうね」 

トンボやアリ、ハチが教室に入ってきただけで泣いて騒ぐ先生で、皆は付き合ってられなかった。 
結局、ケイコ先生はたった一人でお墓を作って、標本箱ごと埋めてしまった。 
自分は夏休みに借りた本を図書室に返却してから下校したので、 
墓を掘りながらケイコ先生がブツブツ「いっ君がいなくなれば良い」とぼやいていたのを耳にしていた。 

一ヶ月くらい後に、登校途中最悪な事が起こってしまった。 
「MEちゃん、僕何か悪い事したかな?」 
「また、ケイコ先生に怒られたの?」 
「家に帰ったら、ケイコ先生が来るんだ。毎日のように蝶の墓が掘り返されるって」 
「いっ君、お墓を掘り返したの?」 
「ううん。でも、きっと僕はまた悪い事をしたんだよね?」 
「いっ君は何も悪い事をしてないよ」 
「幼稚園で一緒だったたっ君がいなくなったのも、去年の運動会でさっちゃんの犬が死んだのも、他の事も全部僕のせいだね」 
「いっ君、また未来が見えているの?」 
コクリとうなづくが、その内容は教えてくれなかった。 
「お兄ちゃんが本物そっくりに作る方法を教えてくれたけれど、あの蝶は僕一人で作った」 
いっ君のお兄ちゃんは手先が器用な人だった。 
「なのに、先生は埋めちゃった」 
何かを言いかけていたいっ君は目の前で乗用車にひかれて、ボールのように高く跳ね上がった。 
他の車も急ブレーキをかけたみたいだったが、間に合わなかった。 
交差点は血まみれのいっ君を中心にして角ばった渦を巻くように車が急停車した。 


自分も救急車に乗るよう言われたが、身体は救急車と反対方向に動いた。 
いっ君はこうなる事を予知していたのだ。 
だから、心配をかけたくなくて何も相談してくれなかったのだ。 
自分はその時何故か「宇宙人」に会いたくなったのだ。 
砂場に埋まっているはずの赤いブロックを探がすために、幼稚園に勝手に入り込もうとした。 
きっと、宇宙人がいっ君を助けてくれるはずだと信じて。 
背後で車が停車する音が聞こえた。 
ウィーンと車の窓の開く音がした。 
「振り向かないで」 
「箱、全部燃やして。解かる?」 
頭に、ケイコ先生によって埋められた標本箱が浮かんだ。 
「そう。それを燃やす」 
「いっ君、死なないよね?」 
ウィーンと車の窓が閉まる音がして、車が動き出す音がした。 
振り返ると、道路に黒い小さな箱が置いてあった。 
マッチ箱だった。 
気が付くと、もう空はオレンジ色で夕方だった。 
おかしい。さっきまで、朝の九時だったのに。 

急いで学校へ行き、墓の前に立つ。 
例のお墓は掘り返したような跡というより、地中からもぐらが出て来た様な変な跡だった。 
気味が悪いが、ほじくりかえして標本箱に火をつけた。 
あの黒いマッチ箱に一本だけ入っていたマッチだ。 
火事になったら、大変だから側に水の入ったバケツも用意していた。 
それなのに、標本箱だけが一瞬にして燃え尽きて黒い灰が残った。 
何気なく、振り返ると自分達のクラスの教室の窓辺に真っ黒な人影がじーっとこっちを見下ろしていた。 
一瞬でいなくなったと思った。 
しかし、校舎の玄関のドアガラスに人影がバンと当たって、ジタバタしている。 
手足の他に背中の方でも何かバタバタさせている。 
蝶のハネだった。 
そして、表情は解からなかったが、目だけが闇に浮かび上がってギョロギョロ動いている。 
意味も無くただ、蝶人間はずっともがいている。 
もう、声も出なかった。 

「MEちゃん。どうして、学校に来なかったの?先生が今日ずっと見ていたMEちゃんは誰だったの?」 
ケイコ先生がフラフラしながら玄関から出て来た。 
後ろに蝶人間を連ねて。 
「ケイコ先生!」慌てて追いかけてきた同じ二年生の担任をしているユタカ先生やミチコ先生がケイコ先生をはがいじめにした。 
「墓を掘り返すな!墓を掘り返すな!」 
「ああああああああ」とケイコ先生は発狂し、救急車で運ばれてしまった。みこちゃんはひょっこり何処からか出て来た。 
「朝から大変だったんだよ。あの蝶人間がケイコ先生と一緒に教室に入ってくるし」 
「ケイコ先生はいっ君が死んでないのに朝の会で突然『死にました』って言うし」 
「学校に来なかったMEちゃんが椅子に座っているって思い込んでいたし」 
「やっぱり、いっ君が登校中に事故にあったの……ショックだったのかなあ」 
みこちゃんにしか話せなかったため、全部を話した。 

・ケイコ先生は標本の蝶が本物だと思い込んでいた事 
・ケイコ先生が墓を作るときに「いっ君がいなくなれば良い」とブツブツ言っていた事 
・事故にあったとき、いっ君を囲むように車が円を描いていた事 
・いっ君を助けるために、学校をズル休みして宇宙人に会いに行った事 
・宇宙人に標本箱を燃やすように言われた事 
・標本箱を燃やしたら蝶人間が見えた事 
 
「心配だったの。生きた虫を埋めて人を呪う方法があるって、ママがこの間言っていたから」とみこちゃんは話してくれた。 
「ニセモノの蝶でもさー。不思議な力のあるいっ君なら、本物の虫のような力を与える事も出来るんじゃないかな」 
「ケイコ先生はいっ君の悪口を言いながら、墓を作って標本箱を埋めちゃったんでしょ?」 
「だけれど、ケイコ先生はいっ君のように力が無いから、結局いっ君は生きているでしょ?」 
「生きてるの?」 
「ミチコ先生に聞いたから、本当だと思う」 
「それに、宇宙人はMEちゃんに、いっ君を助ける方法を教えた。いっ君の呪いは解けたんだよ」 
「行き場を失った呪いは蝶人間として死ぬまでケイコ先生から離れないと思うけれどね」 

ケイコ先生は発狂(学校では『心の病気』という表現を使っていた)が治らず、学校を退職した。 
そして、四年後。 
自分達が卒業する式の前々日に遺書を学校に送った直後、自殺したそうだ。 
自分達三人は「先生は蝶人間に負けたんだ」と解かった。 
確かに、大卒新任早々いっ君のいる小一の学級の担任をするのはハードだったと思う。 
でも、ケイコ先生には教師の素質は十分あったはず。 
だから、きっとまた教師として現場復帰してくれると思っていた。 
卒業式の後、遺書はいっ君と自分、みこちゃんの三人の強い希望で特別に見せてもらった。 

遺書は二枚。 
一枚目は、黒いクレヨンで描かれた、蝶人間と思われる絵。 
二枚目も、黒いクレヨンで書かれた、字の大きさがムチャクチャな文。 

皆、卒業おめでトう。 
やっト、先生も自由になレます。 
いっ君、二度ト貴方に会う事は無いでしょう。元気でね。 
MEちゃん、先生、貴方の事地獄で待ってますよ。まタね。 
ケイコ先生より 


198 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/04/06(水) 16:23:21.48 ID:koEV6bdcO
>>194 
恨みの対象が変わっとる 
呪い返しだと分かっていたからなのか? 


201 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/06(水) 16:39:04.49 ID:JN2TkoP+0
>>198 
呪いが直接いっ君を死なせようとしたというのはどうかと思うのですが、、、 

当時病院で治療中だったいっ君の代理人として自分が標本箱を燃やしたため 
呪い返しが複雑化してしまって、ケイコ先生はもういっ君を呪えなかったのでは?というのが自分の見解です。 
でも、自殺後蝶人間は自分達の目の前に現れていないのでケイコ先生の死によって全て相殺されたのでは?というのがみこちゃんの見解です。 

また上手く書けず意味不明で申し訳ありませんでした; 

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