ワゴン車

325 :1/2:04/06/24 21:46 ID:4Lu7tkdP
昔、テレビでやってた話です。 
部活で帰りが遅くなった女子高生が、駅まで迎えに来てと家に電話をかけたのだが誰も出ない。 
仕方なく歩いて帰ろうとすると、駅前に見なれないワゴン車がポツンと止まっていた。 
何気なく眺めていると、一人の男が降車しゆっくりと少女に近づいてきた。 
すると突然、男はナイフを取り出し、少女の腹部にザクッとその刃を突き立ててきた。 

・・・・・・ハッと気づくと、ベッドの上。 
なんだ、夢か・・・・よかった・・・・・、と少女は胸をなでおろした。 

数週間がすぎたある日。 
部活で帰りが遅くなってしまった少女は、駅まで迎えに来てと家に電話をかけた。 
・・・・が、誰もでない。ん、なんかちょっと前にこんなことがあったような・・・・と 
軽いデジャビュを感じながら、改札越しに駅の外を見ると 
夢で見たのとまったく同じワゴン車が、夢で見たとおりの場所に止まっていた。 

このままだと、私、殺される!! 

恐怖を感じた少女は再度、家に電話。しかし誰も出ない。 
続けて、兄の携帯を鳴らしてみると、こちらはちゃんとつながった。 
パニクりながらも夢の話をし、とにかく迎えに来て欲しいと懇願すると、 
兄は半信半擬ながらも、とにかく行くから待ってろと言ってくれた。 

しばらくして、兄の運転する車がやって来るのを見つけた少女は 
改札を出て手を振って合図しようとした。 
すると、まさにそれを待っていたかのように開くワゴン車のドア。 
夢でみたままのとおりに男が降車し、ゆっくりと少女に近づいてくる。 
恐怖のあまり立ちつくす少女。そこへギリギリのタイミングで兄の車が到着した。 
助かった!! 
車に乗り込もうとする少女。 
その横をゆっくりと通り過ぎながら、男がこうつぶやいた。 

「夢 と ち が う こ と す る な よ。」 

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