ドブ川の底

740 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/06/22 03:44
中学の頃、近所の田んぼが葬儀場になった。元田んぼだから、入り口の前に用水路がある。 
「セレモニー●●」みたいなダサく気取った名前がついてる、あからさまに陰気なつくりではないが、葬儀以外には使えない独特な建物なわけよ。どこでもそうなのかもしれないけど。 
中学の漏れはそれがなんとなく気になって、時々誰もいないときに覗いてたりしてたわけ。 
んである日。用水路のドブ川に目をやると、なんか白いものがふよふよしてるのが見えた。 
手だった。 
ドブ川は10センチ以下くらいの水量。その泥の底から、真っ白い指が生えて水の流れにふわふわ動いてる。 
マネキンかと思ったが、マネキンの指が動くほど水の流れは強くない。手袋かと思ったが、関節の部分の色(少し濃くなってるとこ)が見えた。 
女の人の手だったと思う。 

5分くらい観察して立ち去った後に怖くなり、漏れはしばらくそこに近づかなかった。 
も一回見にいった時にはもう手は消えてた。 

まだそこに手とその先が埋まってるのか、それを埋めた人物がいるのかを考えるとほんのり…… 

前の話へ

次の話へ