クレバス
47 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 02/12/20 11:38
オカルトでも何でもない話だが、一応怖かったという事で。
雪山で、まっ平らな平原のような所へ出た。
その日に泊る避難小屋が遠くに見えた。
近道をしようとルートを変え、平原を横切り始め
しばらく進むと突然、身体が宙に浮き、視界が
真っ白になり、足に強い衝撃。
大穴が開き、俺はその中に落ちこんでいた。
見上げると、上から落ちる雪が顔にかかり、青い空。
そして、足が踏んでいるのは地面ではなく、木の枝。
同じ位の高さの、枝を張った木が繁る林に雪が積もったんだが
枝から枝に雪が積もり、張った枝の下は空洞になっている。
そこへ俺の体重がかかり、大穴が開いたようだった。
上からザイルを垂らしてもらうが、下の様子が分かった皆は
1ヶ所に固まってザイルを引けば自分達も落ちるので
危なっかしくて及び腰だ。
俺は俺で、穴の中でもがけば周りの雪がさらさらと下に落ち、
いつ地面まで落下するかと、そればかりが気になっていた。
どうにかこうにか引き上げてもらったが、元のルートに
引き返すにも、相当の距離を戻らなければならない。
戻るのも進むのも危険は同じと判断し、そのまま
非難小屋に向かった。
いきなり腰までもぐる奴は続出したが、俺のように
完全に落ち込む奴は出なかったので、無事、避難小屋まで
たどり着いた。
今では笑い話だが。