テレパシー実験

432 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/03/13(土) 22:39:53 ID:1KATLEXt0
ユリ・ゲラー懐かしいなぁ、という流れから聞いた、センパイの話の一つ。 
センパイは昔、戦士症候群の罹患者で、とある異世界の高位の能力者という設定だった。
時は世紀末、当然超能力にも目覚めねばならない。
恐ろしいことにセンパイには戦士仲間(同級生)がいた。 
ある日、テレパシー実験を始めることになった。夜、時間を決めてテレパシーを送ってもらう。 
約束の数分前から部屋を暗くして目を閉じ結跏趺坐、精神統一して待つ。 
ついにその時間、初めてのテレパシーがやってきた。

ぱあぁぁぁぁぁと放射状に広がる虹色の光の中央に、ピンクのバラの花が浮かび上がった。 
単に思い浮かべるようにふわんとやってくると思っていたので、ド派手な後光にびっくりしたそうな。

翌日、学校で答え合わせをした。センパイが受け取ったイメージは見事的中していた。 
相手は、この花の味は苦いんじゃないかと思い、そのイメージも送ったらしいが、 
「当然のように視覚でくると思って集中していたんで、味覚は盲点だった。 
 気がつかなかった。あの頃から常識のナナメ上を行く思考の持ち主だったなぁ。」 
とセンパイは言った。いや、そんな人だから、センパイと話が合ったんじゃないのか。

その後テレパシー、透視、予知、霊視、交霊(いずれも『らしきもの』)など、いろいろと実験は 
したものの、どんなビジョンでも最初のような後光はもうこなかった。 
「初めてなんでこっちも相手もリキ入ってたのかな。それともチャクラ(?)が開いたご祝儀かね。」

こうして実際に不思議体験を重ね、そのいくつかは上のように他人との共有体験だったので、 
とりあえず病は癒えて久しい今でもいくつかの現象は否定できない、と言う。 
「共有はしても結局個人的体験、証明しろと言われても難しいけどね。 
 それに当時のいろんな挙動を思い返すと、力を持っていたのは相手の方じゃないかと思う。」 
その人に会ってみたいものだが、 
「ん~、む~、む~ん……相手、もう人の親だしねぇ……」 
と、うやむやにされた。

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