ドッペルゲンガー(36)

107 :98です[sage] :2009/11/10(火) 22:52:59 ID:T+xRaB/V0
不思議な事といってもたいした事ではないんですが、 
そこに住んでいたときはよくドッペルゲンガーが出ました。 
初めは私が小学生のときで、近所のスーパーに行った時に母親のドッペルゲンガーが出ました。 
私が欲しい菓子を持って母親を探していると、目の前を母親が横切り、声を掛けようとして 
追いかけると母親はどこにもいなくて(周りには他の買い物客も一人もいませんでした) 
あれっと思っていると、自分の後ろから本物の母親に話しかけられる、といった感じです。
二回目は学校でした。遅刻ぎりぎりで校舎に駆け込み、階段を上ろうとしたときでした。
私の学校は校舎の東と西の両端に階段があって、私の教室は二階の東の端にありました。
私が東の階段から西の階段を見ると、ちょうど担任の先生が階段のほうに歩いていくのが見えました。 
これなら間に合う、と思って全力で階段を駆け上がって教室の扉を開けたのですが、担任の先生は 
すでに教室にいて、勢いよく扉を開けた私を見て笑っていました。 
先生は男で、かなり太っていましたが、身長は小柄でした。 
その時学校には男で太っている先生というのは、担任の先生を含めても2人しかいませんでした。 
もう一人の方は身長が170センチを超えるくらいの高身長だったので、見間違いでは無いと思います

最後は私のドッペルゲンガーの話です。 
その日は朝礼があって、いつもどおり登校した後、教室から校庭へ友達と一緒に出ました。 
朝礼が終わって教室に戻ると、先生に呼ばれました。行ってみると、なぜか先生は笑いながら、 
「鈴木(仮名です)さん、今日は本当はもっと早く来てたの?」 
と聞いてきます。もちろんそんな事は無いので、違うと答え、どうしてですかと聞きました。 
そしたら先生は「うーん、他の先生が二人くらいね、鈴木さんがもっと早い時間に学校にいたのを 
見たって言ってたもんだからね。まあ、でも気にしないで」と笑っていました。 
その頃の私は酷い癖毛で、常に髪を三つ編みにしていました。学校でも、三つ編みにしていたのは 
私とあと一人同学年の子しかいませんでしたが、その子とは身長も体格も全く違っていたので、 
これも見間違いではないと思います。同学年で同じ階の教室にいて、体型や髪型が似ていれば 
友達から間違えられる事もあると思いますが、そういう事は一度もありませんでした。
あの頃はよく「きっとこの町の時空がずれていて、そのせいでドッペルゲンガーが現れやすいんだ」 
などと考えていました。でも、今でもあの町にはドッペルゲンガーの現れる原因となる 
何かがあるに違いないと思っています。

書き忘れましたが、私が母親のドッペルゲンガーをスーパーで見たとき、 
その瞬間の空間全体に薄い影がかかったように暗くなっていて、母親にも 
影がかかって、しかも無表情で怖い顔をしていました。 
まとめサイトにあった話でも、そういう、一瞬垣間見た空間の暗さというのが 
語られていて(小学生の友達数人と部屋にいたときに、同じ瞬間を二回繰り返したという話です) 
ああ、そうそう!と思いました。 
やっぱり、異質な空間(あるいは異常な事が起こった空間)と、本来の空間では、 
はっきりこれと認識する事が出来ないだけで、決定的に何かが違っているのかも知れませんね。

前の話へ

次の話へ