歌舞伎町のホテルで… - 岩井志麻子

笑っていいとも怪談フェス2012より

私が住んでいるのは歌舞伎町で、ここから(アルタ)から20分位の所なんですよ。
それで、私の住んでいる所から5分もかからない所に、名前はちょっと言えないんですけど、
廃墟になっているラブホテルがあるんです。

ここは外見もさることながら、中も昭和の連れ込み旅館のような雰囲気で、一部でとにかく人気があったんですよ。
それである編集部が、「ここで岩井さんのインタビューと撮影をする事にしようよ」って事になって。

私は嫌だなあと思ったんですけど、そこへ行ったんです。
部屋に入ると、私は本当に霊感0なのに、なんでか風呂場がすごく嫌な感じがするんです。
なんだか風呂場に誰かがいるような感じがして、なるべく風呂場のほうを見ないようにしてたんです。

それで、私もなんだかソワソワしてしまって、部屋の引き出しを開けてみたら、
髪の毛がびっしりとついたブラシが出てきちゃったんですよ。

普通ね、ホテルだったらお掃除の方がそんな物を入れたままにしないですよね?
それがまるで人間ひとり分の髪の毛全てついているんじゃないか?って位グシャっとついているんです。

怖くなって、そのブラシを引き出しに戻して、閉めたんです。

これで話しが終わるはずなんですけど…
実はこれ後日談と言っていいのか、1つ話しがあるんです。

もう30年くらい前になるでしょうか。
歌舞伎町の連続殺人事件というのがあって、歌舞伎町のホテル街で、女の人が三人続けて殺されたんですが、
さらに殺された女性の三人の内の一人が、今もって身元が不明なんですよ。

それで、私、どうもあのホテルなんじゃないかって、
お風呂場で何かあったのかな…ってそう思えるんですよね。

新宿歌舞伎町ラブホテル連続殺人事件 - Wikipedia

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