兵庫・川西市男性刺殺事件
事件の概要
2002年5月23日午後11時40分頃─ JR福知山線川西池田駅から南に数百メートル離れた国道近くの住宅街、「兵庫県川西市栄根2丁目」の路上で、男性がオートバイにまたがったまま、タンクにうずくまるようにして倒れているのを通行人が発見。。男性は病院に運ばれたが、間もなく死亡した。胸には鋭利な刃物で刺された痕があり、県警捜査一課は殺人事件と断定。川西署に捜査本部を設置した。 男性は持っていた運転免許証などからから丹市西野8-5-9、建設業手伝い、「小瀬秋雄さん」（当時30歳）と分かった。 調べでは、通行人が車で通り掛かったところ、小瀬さんがバイクにまたがったままタンクにもたれかかるようにうずくまっており、声を掛けると、そのまま無言で倒れたという。事件当時、オートバイのエンジンは停止していたがライトが付いており、鍵も付いたままだった。小瀬さんのポケットには数千円入りの財布が残っており、物盗りの犯行ではないと思われる。また、発見時に小瀬さんがいた場所から、その手前30mの間に血痕が残されており、小瀬さんは刺されたあと、自力でバイクにまたがって移動したと見られている。 小瀬さんは発見される4分前に食事をした知人と別れたばかりで、その直後に別の知人と携帯電話で話しており、「川西市内で後輩が白い車に乗った男に殴られて怪我をしたが、見つけたら連絡して欲しい」と話していたという。その会話の後に、この知人は携帯電話の向こうで小瀬さんが何者かに「おーい、ちょっと待て」という声を掛けられるのを聞いており、その直後に電話が切れたという。 電話をしていた友人以外にも、現場近くで近所の人が「こら待て」といった複数の男の声、男性の叫び声やオートバイの発進音を聞いている事から、小瀬さんはんらかのトラブルに巻き込まれた可能性も高い。凶器も見つからず、有力な情報もないまま現在も未解決となっている。関連記事
●2002年05月23日付「共同通信」─ 胸刺され、男性が死亡 殺人で捜査本部設置 ２３日午後１１時４０分ごろ、兵庫県川西市栄根２丁目の路上で、男性が胸から血を流して倒れているのを通行人が発見、男性は病院に運ばれたが、間もなく死亡した。胸に鋭利な刃物で刺されたあとがあり、県警捜査１課は殺人事件と断定、川西署に捜査本部を設置した。 男性は持っていた運転免許証などからから同県伊丹市西野８ノ５ノ９、建設業手伝い小瀬秋雄さん（３０）と分かった。 調べでは、通行人が車で通り掛かったところ、小瀬さんがバイクにまたがったままタンクにもたれかかるようにうずくまっており、声を掛けると、そのまま無言で倒れたという。 バイクにはキーが付いたままだったが、エンジンはかかっていなかった。小瀬さんの財布などは盗まれていなかった。凶器は見つかっていない。捜査本部は発見の直前に刺されたものとみて２４日、遺体を解剖して詳しい死因を調べる。 ●2013年5月5日付「JWSSNニュース」川西市塗装工男性殺人事件 ─「犯人の枕元に立ってでも」 「お母さん、ありがとう。弁当おいしかった、ここ置いとくよ」。息子から聞いた最後の言葉になった。 外装工事会社に勤めていた小瀬（こせ）秋雄さん（当時３０歳）が刺殺され殺害された事件は、未解決のまま今月２３日で発生から１１年となる。母の盛山時枝さん（６５）は今も毎週、事件現場に向かう。薄れることのない優しかった秋雄さんの記憶。突然の死を迎えた息子の供養と事件解決への願いを込め、現場に花を供える。秋雄さんは当時、実家近くの集合住宅で一人暮らしをしていた。毎朝、時枝さんが作った弁当を受け取ってオートバイで出勤し、帰宅途中に空になった弁当箱を置きに寄る。事件の日は午後６時ごろに弁当箱を置きに来た。台所にいた時枝さんは顔を見ず、後ろ姿に向かって「お疲れさーん」と返事した。 その日の深夜。「事故に遭った」という警察からの電話で起こされた。病院へ向かう途中、何度かけても秋雄さんの携帯は出ない。「嘘よね、間違いよね」。留守番電話に繰り返し吹き込んだ。駆け込んだ病院で医師は「残念ながら……」と切り出した。事故ではなく事件だと聞かされ、ますます混乱した。司法解剖を終え、実家に戻った秋雄さんの遺体に「何があったの？」と問いかけ続けた。事件の目撃者を捜そうと、家族や友人らで現場を通る車のナンバーを控え、続けて通ったナンバーの一覧を警察に提出した。情報を呼びかけるホームページを開設し、ビラも配った。わらにもすがる思いで、占い師や僧侶に会いに九州や四国まで足を運んだこともある。しかし手掛かりはつかめなかった。 秋雄さんは３人兄弟の真ん中。親思いの優しい子だった。２０年以上も前、時枝さんが夫婦げんかをし、再婚した夫が家を飛び出したことがあった。「おっちゃん、帰ろ」と迎えに行ったのは秋雄さんだった。仕事を始めてからは、食費のほかに時枝さんの小遣いも毎月渡してくれた。「命が短かったから、一生分の優しさが凝縮されていたんだと思います」時枝さんは１年半前に定年退職するまで、勤務のない土曜日の午前５時前に必ず、懐中電灯を手に秋雄さんの墓を参った。この時間なら人目を気にせず、感情をぶつけることができた。真っ暗な霊園で「犯人を教えて！」と泣き叫んだこともある。 現場脇のガードレールには１１年間欠かさず、秋雄さんが大好きだったタバコと缶コーヒーを供えている。お供えが雨風にさらされないよう差し掛けた傘は、これまで何度取り替えたか分からない。「私が亡くなってあの世に行ったら、犯人の枕元に立って自首させますよ。時効はなくなりましたから」殺人など凶悪事件の公訴時効が撤廃されてから４月で３年となった。「犯人逮捕」を待つ県内の遺族を改めて訪ねた。 ●2017年5月24日 神戸新聞NEXT ２００２年５月、兵庫県川西市栄根２の路上で、伊丹市の会社員小瀬秋雄さん＝当時（３０）＝が胸を刺されて死亡した事件は発生から２３日で１５年となった。未解決のまま有力な情報もないことから、川西署は同日までの３日間、現場付近で情報提供を求めるビラを配った。 事件は午後１１時４０分ごろに発生。単車にまたがった状態で胸から血を流している小瀬さんを通行人が発見したが、間もなく死亡した。直前の午後１１時ごろ、現場周辺で複数の若者が騒ぐ声もあったという。川西署捜査本部には毎年２、３件の情報が寄せられるが、有力な手がかりはないという。 発生時刻に合わせ、午後１０時半から約２時間、川西署員と県警捜査１課員計１７人が、現場付近の路上を通る人にビラを配り、情報提供を呼び掛けた。 川西署の大石一宏刑事１課長は「１日でも早く犯人を逮捕するため、どんなささいな情報でも良いので提供してほしい」と話していた。同署捜査本部ＴＥＬ０７２・７５５・０１１０事件担当警察署
兵庫県川西警察署捜査本部 「川西市栄根２丁目における男性殺人事件」 電話：072-755-0110 URL:http://www.police.pref.hyogo.jp/teikyo/sosa/jiken1/index.htm
◆ソース元
JWSSNニュース
