千葉・茂原市宮司殺人事件

事件の概要

1999年8月2日午前8時頃─ JR茂原駅から約500m程離れた、金刀比羅神社・金刀比羅本教茂原教会所(千葉県茂原市町保6番地の27)の駐車場の草むらで、同神社の宮司・鵜沢秀胤さん(当時56歳)が、血を流し、うつ伏せで死亡しているのが発見された。第一発見者は出勤途中の鵜沢さんの弟で、長生消防本部職員の良さん(当時52歳)。 司法解剖の結果、鵜沢さんの死因は背中を刺されたことによる失血死だった。警察の調べによると鵜沢さんは外出着でグレーの縦じまの甚平姿、帰宅直前に被害にあったらしく、近くに自転車が倒れ白いサンダルが飛び、煙草とライターの入った黒い小さなセカンドバックがあった。現場に残されたセカンドバックには現金が無く、ズボンのポケットに小銭(220円)が残されていただけだった。なお、凶器はいまだに見つかっていない。 鵜沢さんは前日の8月1日午後6時過ぎ、次女(当時25歳)に「仲間の集まりにゆく」と言い残して自転車で外出、JR茂原駅前の居酒屋で知人16人との飲み会に参加した。午後8時半ごろ一人で居酒屋を出て2日午前1時頃まで、近くのフィリピンパブでカラオケなどしていた。 2日午前1時ごろまで飲み、代金の1万8千500円をポケットから2万円を出して払い、店を出た。帰宅したところを犯人に狙われたとみられる。その後、隣に住む弟の良さん(長生消防本部職員)が出勤途中に発見する午前8時頃までの間の足取りは不明。死亡推定時刻も同時間帯と予測されている。 鵜沢さんは事件の12年前に妻に先立たれ、長女(当時27歳)、次女(当時25歳)の3人暮らし。神社は戦前に創建され、鵜沢さんは父の跡をついだ2代目。1970年に宗教法人を設立した。 鵜沢さんは1993年に自宅脇の敷地が市道用用地として買収され約4億2千万円の売却益を得ている。また事件に遭遇した前年にも、自宅周辺の土地を売却して大きな利益を得ている。近隣でも、普段から数十万単位の現金を持ち歩いていることで有名だったという。 フィリピンパブの女性には「たくさんのお金があるから貸しているんだ」と話し、知人にも「100万円単位で金を貸すのでいつでも言ってくれ」と話している。 鵜沢さんは前年の8月24日午前1時10分頃にも、今回同様に外国人のいるスナックでカラオケを楽しんだのち、自宅前で襲われ現金30万円や印鑑の入ったポシェットなどを奪われている事から、金銭に絡んだトラブルに巻き込まれたと警察は見ている。

事件担当警察署

茂原警察署 電話:0475-22-0110

◆ソース元
未解決事件X
探偵ファイル

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