幽体離脱(2)

581 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/07/09(水) 13:26:33 ID:XX5BZR9cO
小学5年の頃、両親が毎日7時過ぎには仕事へ出ていた。 
学校が道路を挟んですぐ斜め向かいだったこともあり、 
俺はギリギリまで余裕こいてるような子供だった。 
だいたい、親が出て行くときに起こされるんだけど、 
そのままソファでだらーっとしてると、寝てるんだか 
起きてるんだかわからないような状態になる。
そんな状態の中でたまに見ていたのは、 
学校の門の真上に自分がふわふわと浮かんでいるという状況。 
普通に登校してくる生徒を眺めている。独特な浮遊感。 
「あ、○○が来たな」みたく、ぼんやり楽しんで見ているというもの。 
それで、しばらく見てるとどこからともなく女の人の声で 
「戻りなさい」という声が聞こえ、ハッとして「準備しなきゃ」と、 
自分の家まで手をかき足をかき、その独特な浮遊感の中を戻っていく。 
だいたいいつも、家に入ろうとすると目が覚める。ガーーーン!って感じで。 
目が覚めるのはいいんだけど、ものすごい心臓がバクバクしていて、 
落ち着くまでちょっと時間がかかるというものだった。 
そんなに頻繁に見るわけではなく、多いときで月に1度。 
自分では夢だと思っていたので、見るのが楽しかった。 
だからわざとソファーで横たわっていたこともあった。

ある日、ひさびさに見たときに、担任が知らない生徒を連れて 
玄関のあたりで一緒に歩いているのが見えた。 
それから目覚めて普通に登校すると、担任が転校生を紹介した。 
それは、さっき見た「知らない生徒」だった。
それまではなんだか子供心にも後ろめたい感じがあったので 
親にも話したことがなかったんだけど、 
さすがにちょっと気持ち悪くて、母に話してみた。 
母は「えええ、あんたもなのー?」と大声を出した。

どうやらそれは母譲りの体質?だそうで、 
母が子供の頃はもっとひどかったらしい。 
自分で「○○に行きたいな」と思ってぼーっとしていると、 
フト気づいたらそのへんにいることができたとか。 
俺と全く同じで、自分で空中をかきわけて泳いでたと。

夜中に好きな人のことばっか考えていたらその人の家まで 
行ってしまい、家の前でばったりあったこともあるとか。 
でも、相手は全く気づかないのでおかしいなと思ったと。 
ちなみに母も、俺と同様に女性の声で「帰りなさい」と言われたそうな。

結局、「二度寝禁止」、「妄想禁止」となってしまった。 
「あんた戻ってこれなくなるよ、いきなり死ぬよ」と言われて 
子供心にびびりまくり、昼寝もできなくなった。 
その後は、中学で3度ほどなったが、自分で「これやばい」という 
認識があったためか、その都度すぐに戻った。 
それ以後は全くなくなってしまった。これって幽体離脱ってやつ?

前の話へ

次の話へ