子供たちの見たもの 其の三

260 :蛇トカゲ:2006/08/12(土) 04:21:06 ID:/8JdQ7+C0
ウチの父親の話。 
子供の頃、母親に連れられて墓参りにいった。 
幼かった父は、はしゃいで墓の間を走り回っていた。 

「コラー! ウルサイ!!」 

あちゃー 起こられちゃった。と思い、周りを見回したが 
自分と母親以外には誰もいなかったという。 
ちなみ、にそれは大人の男の声だったそうだ。 

もう一つ。 

幼い頃、父の家には風呂が無く 
その日も近所の共同浴場に行っていたという。 
脱衣所で服を脱いでいると、急に目の前を ブン と何かが通り過ぎていった。 

ピカピカ光った何か。 

特に気にしなかったが、母親が父の顔を見て驚いた。 
父のあごがパックリ切れて、血が吹き出していたのだ。 

「アレは音速で飛ぶ蛍だった」真顔でそう言う父のあごには 
今も三日月形の傷が残っている。 

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