テレフォンカード

219 :2/1[sage] :2008/02/22(金) 19:24:37 ID:qyh6nWxM0
有難う御座います。 
では、拙い文章かもしれませんが…
ことの始まりは今からかれこれ20年前に遡ります 
未だ携帯電話も普及していなかったあの頃、私は小学校5年生でした。 
私学でも無いくせに越境入学ギリギリの場所に住んでいた為、バス通学だった私に両親がよくテレフォンカードを渡したものでした。

ある時父が出張先の北海道土産に一枚のテレカを私にくれました。 
それは富良野のラベンダー畑を写した物で、少女だった私は行った事の無い富良野の景色にうっとりしたものでした。 
バスの定期入に大切にしまって、毎日毎日それこそラベンダーの数を数える位眺めていました。

とはいえ、所詮は小学生。 
一ヶ月もすると、熱は冷めいつもの日常が戻っていきました。

半年ほど経って。 
私は6年生になりました。 
クラブ活動などで時々帰りが遅くなり、遂にあのテレカを使う時が来ました。

「???」こんな柄だったかな? 
一面のラベンダー畑に真っ赤な一輪のが。 
その時は自分の記憶違いだと思いました…その時は。

母に遅くなる旨を告げ、バスに乗り込んでから「やっぱり気のせいかな?」 
繁々とテレカを見つめましたが、写真が答えるはずも無く。 
「紫色のラベンダーに一輪の赤い花」幼心に「きっとこの方が締まりの良い写真なんだろう」と思うことにしました。
6年生の夏私はその土地を離れ、九州に引っ越しました。 
住み慣れた関東から全く環境の違う九州に越した事で寂しさもあり、時々同級生に電話をしていました。 
流石に長距離電話(そして長電話w)なので親に叱られ「公衆電話で電話すればいいんだ」と引き出しに手を掛けて、あのテレかを取り出しました。

「!!!!」 
紫色のラベンダー畑、そして何故か3輪に増えた真っ赤な花… 
絶対数え間違いじゃない。 
絶対記憶違いなんかじゃない! 
怖くなった私は未だ度数の残ったそのテレカをゴミ箱に突っ込みました。

時が経って、まとめサイトを見つけた時に「残しておけば良かった」とも思いましたが、あの時は本当に怖かったです。 
誰に話しても記憶違いだ、そんな話あるかと笑われましたけど、本当なんです。

怖くともなんとも無いですけど、私が体験した唯一不思議な出来事です。 
ご清聴(?)有難う御座いました。

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