添い寝

862 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/17 05:11
高校1年の夜。 

私は、壁際に置いたベッドで、壁の方を向いて横向きに寝ていました。 
眠っていた私は、突然目が覚めました。 
普通に目覚める時のようにゆっくりと、ではなく、ぱっちりと目が開きました。 

突然目が開いた私の目の前に、私を凝視している顔がありました。 
添い寝をしているような体勢で、顔と顔をつき合わせてしまったのです。 
目鼻立ちのくっきりしたその顔は、性別はわかりませんでしたが、 
表情は怒ったような、何かを訴えるような表情をしていました。 
と言っても、長い時間その顔を見ていた訳ではありません。顔から下も見ませんでした。 
それでも目に焼き付いてしまったのです。 

怖くて反射的に寝返りをうちました。 
その時目に入った、壁と反対側のベッドサイドに置いてある時計は 
1時過ぎを指していました。 

壁を背にして横向きになった私は、その瞬間、金縛りに遭いました。 
初めての経験でした。 
体は動かない。声ももちろん出せない。寝返りをうった瞬間、目を固く閉じてしまった 
らしく、目も開けません。そして、指先ひとつ動かせずに怯えている私の背後には、 
まだあの顔の誰かが添い寝をしています。固まってしまった私の首筋に、息がかかるのを 
感じます。早く、それでいて冷たい息が首筋にあたってきます。 

私はパニック寸前でした。 
そして、さらに恐ろしいことに、声まで聞こえてきたのです。 
その声は「ママ~、ママ~」と言っているように聞こえました。 
やはり男とも女ともつかない、地の底から聞こえるような、 
頭の中に直接響いてくるような声でした。 

怖くて怖くて、逃げることしか考えられなくなってしまった私は、なんとかして 
体を少しでも動かそう、声を出そう、これをなんとか振り切ろう、としました。 
体に力を入れ、どこでもいいから動かそう、声が出なければ音でもいいと、 
とにかく全身を力ませていたように思います。 

そして、振り切れそうな気がしました。 

その後、気が付くと私は、さっきまでと同じ姿勢でベッドの横の床に横たわっていました。 
とても長い時間倒れていたような気がしましたが、慌てて起きあがり部屋の明かりを 
つけて時計を見ると、5分もたっていませんでした。夢かとも思いましたが、息のかかる 
感触、声の響きはどうしても夢とは思えません。 

余談。 
その後、飼っていた犬を部屋に連れて来てみたら、天井の角に向かって吠えつづけ、 
更に怖くなったのでとりあえずその方向に向かって「出て来てくれるな」と 
お願いしつつ何故か謝っておきました。 
この件の前から知っていましたが、母は私と弟の間に生まれるはずだった子供を 
死産しています。なにか関係があるのかもしれませんが、その後は異変はありません。

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