山下コージ君

774 :本当にあった怖い名無し :2007/09/19(水) 16:49:16 ID:JA0eOmxI0
昔、山下コージ君と言う人がいたらしい。 
「いたらしい」と言ったのは私は見たことは無く聞いた話だからで…

同期の友人ハルカは同窓会で中学生時代につき合っていたコージ君に会えるのを 
楽しみにしていた。大学生のときの同窓会ではコージ君は仕事のつごうで 
出席出来なかったから今回会えれば12年ぶりになる。

ところがコージ君は会場にいなかった、驚いた事に出席していないだけで 
なく存在そのものが消えていたのだった。みんなに聞いても誰も山下コージの名を 
知らないし、親友だった男に聞いてもハルカのギャグだと思われた。 
私が「同じ中学じゃなくて同じ高校だったとかじゃないの?」と聞いても 
ハルカの記憶では間違いなく中学校で、なにより大学生だったときの 
同窓会では「コージ君来て無くて残念だね」とみんなにひやかされた記憶も 
あった。 
「来月の盆に実家帰ったらアルバムとか調べてみる、みんなで私を騙してるとは 
思えないし、でも本当に夢とかじゃないんだよ!写真とか手紙とか残ってるし 
彼と同じ高校出身の子にも聞いてみる!」 
ここでこの話はいったん終わった。 
ハルカはこんな面白い作り話が出来るような子ではなかったしハルカと合って 
この話を聞いていた私ともう1人の友人ミカとも「ウソでは無いね」と言い合って 
いた。

本当ならすぐにこの話の続きを聞きたかったのだがハルカは結婚して寿退社して 
いてなかなか合う機会も無く、私自身忙しかった事もあって秋も終わりに 
なる頃にハルカの話しになって初めて思い出した。 
同じ職場のミカに「ハルカのあの話しどうなったんだろうね?」と聞いてみたが 
ミカは何の話しか全く分からない様で「そんな面白い話し聞いたら忘れないよ、 
そこにいたのは私じゃ無かったんじゃない?」とまで言われてしまった。
「???」確かに会話の中にミカはいた、つい数ヶ月前の話しだから間違える 
わけがない。 
何だかふに落ちず早々にハルカに連絡を取り食事に誘った。 
ハルカに会うと私は早速あの話しを持ち出した。

「誰?山下コージ君って?」

鳥肌が立った、ハルカは本当に彼の話から存在を覚えていなかった。 
真剣に私がハルカが言っていた話しをしてもハルカは目を丸くしてただただ 
キョトンと聞いているだけで不思議そうにしていた。

次は私が忘れるのだろうかと不思議な気持ちです、そのとき本当の意味で 
山下君の存在は消えてしまう気がしました。

駄文すみません…

805 :775 :2007/09/20(木) 08:50:36 ID:LDE5l5H80
>>781 
詳細ですが、ハルカに卒アルを確認してもらったんですが 
やっぱり彼はのっていませんでした。あんまりしつこく聞いてきもち悪く 
思われるのも嫌だったのでそれ以上はハルカに何も聞いていません。 
消えた山下君を知っているわけではないので「まぁいいか」ぐらいにしか 
私も思ってなく…
忘れる前にここに記録をと思って投下しました。

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