忌子

ひぐらし@特選怖い話:2015/04/10 17:26 ID:LJeuXyZo
お久しぶりです、臨死体験を書いたものです。
余り怖くはないかも知れませんが、ふとある事がきっかけで思い出したお話を今回は書こうと思い載せました。
長文で上手くは書けないかも知れませんから、読みたくない方はスルーなさって下さい。

「忌子」その言葉自体は知っていましたが、実際にその「忌子」自体に会った事はその方に会うまでは一度もありませんでした。
オカルト等は勿論好きですし、実際は体験もしますが余り人には話さないので。
話をする相手と言えば、家族か親しい人のみでした。

話は戻りますが、その方と出会ったのは元・義父の友人としてでした。
私と母が昔住んでいた家で色々な現象が起こっていて、調べてみたらでるわでるわのいわくつきの家だったんですが・・・(そちらはまた今度書かせて頂きます。)。
その家にふときた時にずっとちらちらととある場所を話してる最中でも見てるんですよね。

一体、何を見てるのだろう?とそちらを見れば案の定いつも通り見る白いもや。
それが通る度に彼はちらちらと見るのです。

もしかして・・・それは当たっていました。
彼は母と私を見て言いました。

「あの場所霊が横切ってるね・・・、この家大丈夫?」と。
勿論、大丈夫じゃありません。
色々ありましたから、それに苦笑してると彼は言いました。

「ま、君たちなら大丈夫だろう。」と。
それにも苦笑しましたが。

そんな事が何度かあって、新しい家に引っ越してからまた手土産を持って彼が遊びに来ました。
その日は、少し違って最初っからそういう類の話でした。

「ねえ、忌子って知ってる?」

そんな言葉に、私はうなずきました。
すると、彼は言いました。

「僕さあ、寺生まれなんだよね・・・でも昔からお前は生きてるはずがない、なのに生きてる。
よっぽど守られてるが長くはないな。って言われ続けて来たんだよねー。」

と。
彼は寺生まれで何人目かは忘れましたが、何人か目の子供だったそうです。
そして、若い頃は信心深かったそうです。
ですが彼の両親は彼に告げたそうです、お前が生きてるのは奇跡に近い。
何故ならお前は忌子だから・・・本当は生きていてはいけない存在なんだ・・・と。

「だからさー、俺家から出ちゃったんだよ・・・はっはは。」

なんて彼は笑っていましたが、忌子のせいで霊からは狙われ散々な人生だったそうです。
ですが、強運が勝ってるから僕は生きてるとも言っていました。

「君たちには話しておこうと思ってさ。」


そういって、彼は去っていきました。
その時は、何故そんな事を伝える為に??わざわざ来たのだろうと思いました。
手土産は美味しかったですが。

そして、その一週間後・・・彼はまた訪ねてきました。


「お母さんいる?」

「いえ・・・。」

「そっか・・・。」


何かもの言いたげな彼。
だけど、おかしいのです。

何がおかしいか・・・それははっきりとしていました。
透けるほどに彼は白く輝いてるようにそう見えたのです。

「あの!」
「ん?」
「あ・・・いえ、母に伝えておきますね。」

「うん、よろしくー。」

そういって、彼は去っていきました。

「さよなら。」

そういって。

じゃあねでもなく、さよなら。
それも不思議でした。

そして、彼が去って恐怖に襲われました。
なぜなら、私がいつも白く輝く透けそうな人を見るとその人は死んでしまうから。
何時からかは解りません。
ただ、知ってる人の中でそういう人を見ると毎回近い将来死んでしまうから。

私は母に速攻で連絡しました。
母は、ただうつむいて「そう・・・わかった。」とだけしか言いませんでした。

その後、彼がアルツハイマーになったと聞きました。
今は遠い場所にいるそうです。
その後は解りません。

ただ、寿命が近いと言うことだけです。
以上、長々と失礼いたしました。

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