処刑場跡

 
420 :280改めひよこ番長 :2006/11/24(金) 18:39:43 ID:bzEy+THc0
たまにはネタっぽい話も投下してみますか。 
これは怖かったですよ。実被害もでたしね。 
19歳の時の話。 
実家の近くのディスカウントスーパーでバイトをしてた時の話。 
そこで働いてた人達がバイトが同じ年代層が集まってるので仲が良く、閉店後によく色んなところに遊びにいってたのですよ。 
杉並の胎児をゴミ箱に捨てて問題となり閉院した産婦人科の廃墟跡とかもいったしね。 
問題のゴミ置き場はなんやら医療器具が無造作にちらばり足下が見えなかった。 
と、「ぐにゃり」と真のあるゴムのまわりに柔らかいゴムが多い被さり、ぬめった状態の様なものを踏んだ。。。 
「いかん、、帰ろう。。。」という経験くらいで霊的なものは見てはいなかった。 
で、ある日 
「この近くでさ、なんか出るとこあるらしいんだけど行ってみる」? 
その頃の俺は霊とか全然見てなかった。まぁ今までの経験もテレビのような恐ろしいもんはなかったし。 
「行こうか」さすがに女子は誘っても乗らない。 
車2台 俺のシビックとシルビア で男、俺いれて4名。 
車は埼玉県に向かう。俺は道がよくわからないので、シルビアの後ろをついていく。 
すると、くねくねした坂に入る。免許もとったばかりで必死についていっただけだったので正確な場所はいまだに不明。 
とシルビアがハザートを出して停車。止まって出てきてたのでこちらも停車する。 
「ここって昔の処刑場跡って話なんだよねえ」 
「処刑場っていうと、首つりとか電気椅子の」? 
「いや、江戸時代からのっていうから切腹、介錯って感じなんじゃね」 
気のせいか空気がひんやりする。夏の蒸し暑い時期だが木もうっそうとし湿気が冷たさを感じさせるのかもしれない。 
ま、ここじゃないから行こうかという事で車に乗り込む。 
「さーていきましょ。。。。」ルームミラーをさっと見る、瞬間「人」? 
後ろを振り返る。いない。白い着物の人がいた、はずだった。。 
ま、いいか「じゃ、いくよーん」と発車。 
やがて環状道路に出る。高速道路と並行しているらしく、黄色のライトで道は照らされていた。


黄色い街道を進むとシルビアがハザードを出して停まる。 
「あーどういう所かと言うのを忘れてた。今から行くとこというのは 
ホームセンター跡地。建物は閉店はして今も残ってる。 
建物は壊して新しいなにかを建てようとしてるのだけど、建て壊し工事をしようとすると 
工事責任者が次々と死んでいって、工事がすすまないらしいという所」 
「中には入れるの」?「わかんね。俺も初めていくところだし」 
ふうん。なんか今夜も成果無しってところか? 
ま、遊びとしてはおもしろいし、帰りにファミレスで解散って流れだろう。 
と、再度出発して、所沢インターのあたりだろうか。 
街道沿いにでかい駐車場のあるホームセンターを対抗車線に駐車。 
あたりは高速のライトで黄色く照らされておどろおどろしさはまったく無い。 
我々はここがそうか。。とガラス張りのホームセンターの入り口までいく。 
「へーここがそうかあ」「怖くないねえ」「どっかから入れないのかなあ」 
みんな気づいてないんだ。。。 
建物の奥が周囲の明るさの割に闇な事を。。自然な闇じゃない。 
これはなにかの闇だよ。。。 
「ま、写真とろうか」 
なぜか、やめたほうがいいと直感で感じる。 
ピリピリ感がある。しばらくこれは感じていない。俺のこのわからない鳥肌は意外と当たる。 
だが、流れ的にしょうがない。なにもなかったらなにもないもんだ。 
若者のやんちゃ写真を10枚ばかり撮影。なんでもヤンキーポーズ。
ピリピリ感がこれを示していた事なのか、ここまでの道程上で起きていた事なのか。。 
これから異常現象が起こるとは。。 
ありえない、今までの経験上想像もしない事が起こるのです。

「特になんもなかったなー」「ファミレスで飯でも食って解散ってパターンっすね」 
と帰路につく。ピリピリ感は消えない。 
「ひよさん、、、、あそこなんともなかったですか」 
俺のシビックに乗った後輩が切り出した。 
「んーなんもなければそれでいいと思ったし、でも違和感っていうのかな」 
「そそ、その違和感。なんか暗いんですよ」 
「なんもなければそれでいいからなあ。大騒ぎして思い過ごしってのも寒いじゃんか」 
「ですよねえ」この後輩はけっこうなレベルになると感じるようで、俺と一緒に 
他の件に関しても体験を共にする事になる。。。。 
「あれ?これ来た道と同じ道ですよね」 
道を覚えていない俺はそのままシルビアに着いていってた。 
「あの道はやめよう」まだ携帯の無い時代なので、パッシングでシルビアを停める。 
「道、変えませんか?同じ道で帰るんじゃなくて」「なんで」? 
「いや、なんかそんな気分でw」「んーわかった」と出発。 
しばらくすると「え?ここって」行きに通った昔の処刑場跡のくねくね道の手前。 
ピリピリ感が強くなる。ここは通らないといけないか???
よくバイクに乗ってたら「同じ速度で走って追いかけてくる霊」の話を聞かれると思う 
あれは俺の中ではありえる。しかし正確には走ってはいない事をここで知る。

「ひよさん。。。。。後ろ」 
処刑場跡に木でできた看板を通過する付近。 
白い着物のやつだ。 
着物?着物のようだがはっきりとしない。だが明かに生はない男だとはわかる。 
別に恨みをもつような顔をしてるわけでもない。しかし目には力があり、だがうつろな生気のない表情。。。
その異形な人物が運転をしてる俺の横に来ていた。 
俺らは覚悟ができていた。どうすればいいのかはわからない。 
だが覚悟はできていた。 
「おらーーーきでみろやあああああああああああ」 
「あああああああああああああああ」大声でそいつに向かって叫ぶ。
スルー。。。 
「ひよさん。。。。」「え、あ、通過だな」 
異形な人はそのままスルーで前へ向かう。車より速く。。 
走る。正確には走ってはいない。形が現れ、煙のようなものが前に進み、姿が現れ。。 
短い距離のテレポーテーションというか、意志だけで前に進むというような。。 
とにかく人が自力で進めるスピードは越えている。

「ひょっとして、、、シルビア」?「なんでだよおお」 
「写真が。。。」 
ホームセンターで撮影したカメラはシルビアの中にあった。

必死でクラクションを鳴らす。 
パッシングの連続。 
前のシルビアがハザードを出す。 
「停まるな!いけ!いけよ!」後輩が両手ではらうようなジェスチャー。 
すでにやつはシルビアに追いついている。 
するとタイヤを鳴らして猛発進するシルビア。 
あわててついて行く。 
とにかく明るいところへ明るいところへと向かおうとしている。
大きい道路に出て、ファミレスの駐車場に停まる。。。 
「どうしたんすか」?? 
「出た!」「見た」!の連呼。顔が青ざめている。

「横がなんか霧みたいなのが濃くなった!中に入ってきた!」 
「霧っていうか煙!でなんかガーって音がして」 
「ガー???」「ギイイイイイイイイイって」 
「ああ、で気分とかは?」「いや、平気だけど、初めて見た。霊」 
彼らにどう見えていたかはわからないけど、なにか見た事のない異常を感じたらしかった。 
「で、ぎいいいいってのは」「わかんね!!!!!」 
すると後輩が「これじゃないっすか。。。。。。」 
車の横をみると 
シルビアの横に一直線のひっかき傷が引かれていた。鋭利なものでなく、ペンチなようなもので 
力まかせにひっぱったようなきざきざなひっかき傷が残っていた。

とにかく全員ファミレスで飯くって起きた出来事をなんて気分にはならない。 
その後どういう話をして、どういう帰路で帰ったかは覚えてはいない。 
とにかく帰って寝た。

その後日談。 
ディスカウントスーパーではDPEサービスもしていたので、例の写真を現像に出した。 
写真の持ち主は早番でできあがった写真を先に見ていた。 
「あ、写真できたんですか」「うん。なんも写ってなかったけどね」 
「。。。。。。この光の玉、なんです?」 
写真には街頭のライトとは明かに違う青白い光の玉が写っていた。 
「あれ?こんなの写ってなかったんだけどなぁ。。心霊かなあ?やべえ」 
その後、学校を終えて後輩がバイトに出てきた。 
「写真、できたんっすか」?「なんか、やばそうよ。なんか光の玉写ってるんだわ」 
「。。。。まじっすか。。」先日の件もあり、その話におちゃらけるような神経は持ち合わせてはいないようだった。 
「●●さんが持ってるよ」と見にいく。 
「この間の写真って」「ああ」 
写真を出す先輩。おかしい。。。 
「あれ?これ、光の玉、増えてない」????と先輩。 
「え?そうなんですか?」ありえない!モノになにか変化があるなんて! 
写真を見ていなかった俺はその言葉を聞いて覗きこんでみた。 
増えている。確かに違いがハッキリ判るほど増えている。 
1時間ほどして、シルビアの持ち主の後輩が出勤してきた。 
シルビアは修理した。 
保険は効かなかったらしい。保険は効かなかったそうである。 
「写真できあがったんだけどさあ、やばい」先輩が言う。 
「できたんすか?写ってます?」あんな出来ごとの後にも関わらず意外と軽い。 
4人が集まり、写真のやばさを説明しようとし、写真をだす。。

「すごい光の玉、多くないっすか?これやばくないですか」?? 
前に見た3人は絶句していた。。 
みちゃいけないモノを見た、そんな雰囲気。 
多いってものじゃない。。。 
大小の光の玉が全部の写真に大量に散らばっていた。 
最初は1枚。店舗の中を写しただけの写真にだけだった。 
それがあの日撮った写真全部に光りの玉が写り込んでいた。むしろ 
発生していた。 
「焼こう。。。」「お払いいったほうがいいんじゃないですか」 
「早く焼こう」! 
焼却炉が店舗の裏にあり、そこに写真を放り込む。 
ゴミがある程度集まったら火をつけるルールなのだが、即座に火をつける。
その後、4人にはなにも霊障と感じる事はなにも起きてはいないが、 
俺はあの時を境になにかを体験する事が多くなってきたような気がする。 
そんな話。。。。。

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