小綺麗な部屋

511 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/08/05(火) 18:21:49.66 ID:N31j/1Tq0.net
小さい頃に見た奇妙なモノについて、書きたいし意見を聞きたいのですが 
なにぶん、かなり年月が経過していますので曖昧なのはご勘弁を。 
また、その後に観たジブリ作品や妖怪の登場するアニメ等からの影響で 
脳内変換・細部補正が行われている可能性も充分、考えられます。 

さて、幼少の頃、我が家は自営業だった為、忙しい時期になると 
オレは祖母(当時の気分で書くので、以下 婆ちゃん)の家に預けられる事が 
多かった。  
ド田舎ではないけど、のどかな場所にある一昔前の日本家屋。 
それなりに年季が入っているので、全体的にあまり綺麗ではなかったけど一部屋だけ 
いつも小奇麗にしてある部屋があった。 
普段は使わないようにしている部屋なのだが、整理整頓されていて気持ちのいい部屋だった。 
「あまり使わないから綺麗」なのか「使わないのに綺麗にしている」のかは 
分からない。ただ、そんなに特別な部屋ってわけじゃなくて、親戚などが 
大勢集まれば、その部屋も開放していた。 

んで、一人で婆ちゃんの家にいてもすぐヒマになる。するとオリの中の熊のように 
家中を歩き回る癖があった。ある時、その小奇麗な部屋にふらっと入ると 
天井に見慣れないモノがびっしりと張り付く、というか詰まってるというか・・・を見た。 
ヒキガエルの卵はご存じでしょうか? 透明なゼリー状のチューブのような物の中心に 
黒い卵が帯状に連続して入ってるアレ。 
アレの超巨大な感じのモノ。透明のゼリーチューブの直径は20~30㎝位だろうか。 
中に入っている球体は黒くなくて、淡い緑・・・だったような気がする。 
で、そんなのが蛇とか人間の腸のように何重にも曲がりながら 
天井一面に張り付いて、グニョ~グニョ~と動いてるの。 
一瞬見えて、すぐ消える事もあれば、長い時間見える事もあった。 
毎日見えるワケではなくて、何日かに一度で不定期だったような。 
で、たまにムニュッ・ポペッ!って感じで中の球体がチューブの外に出される。 
グレープフルーツ程度の大きさで、淡い色の綺麗な球体だったように思う。 
外に出るタイミングに規則性はなくて、ポペペペッ!って何個も出る事もあった。 
球体は外に出ると、しばらく浮かんでるんだけど、次第に消えていくんだよね。 

それらの一連のモノなんだけど、当時は それほど怖くはなかったのね。 
あと、人には秘密にしておいた方が自分にとって得策だと、幼心に感じていたように思う。 
婆ちゃんに変なのがいるって言って、一緒に見に行くといない、みたいな事が 
あったせいかな?って想像してみたけど、その辺の記憶は曖昧。 
で、いつの間にか見なくなった。見えていた期間は1~2年程度だったろうか。 

十代後半位になった頃か、婆ちゃんにあの部屋って何か変わった事あるの?と 
聞いてみたが、全く心当たりがないらしい。先祖から受け継いできた 
陶器とか茶器とか色々な骨董品めいた物をしまっていたので、壊しちゃまずいと 
思って部屋を使わないようにしていただけだって。 

で、今 振り返って分析するに。 
・一人でいる時間が長い子供は、空想の世界で友達を作り上げ その子と遊ぶ、ってのは珍しくないらしい。 
 成長と共に消えていくようだ。 
・異形のモノは、テレビや図鑑で見たカエルの卵の映像が頭に残っていて、それを再現した。 

こんな所でしょうか。 

しかし、疑問も・・・。あの異形のモノ、ちっとも遊んでくれなかった。 
遊ぶどころか目も口もありゃしないし、オレの事を認識してるかどうかも怪しかった。 
オレに対して、敵意はなかったと思うけど、興味もなかったように思う。 
ただ単にいるだけで、自分のしたいようにしてるだけにしか見えなかったのだが。 

あれはなんだったんでしょう。

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