昔は猫が怖かった


ゾッとする名無しさん@特選怖い話:2014/08/25 19:11 ID:v.0IIV6s
小学校1・2年生の頃、小学校からの下校途中でたまに出会う猫のことが異常に怖かった。
今は猫好きの部類だと思うんだが、当時は猫を見つけてしまうと、一歩も近づきたくないほどビビってて、
猫が何処か見えないところに行ってしまうまで家に帰れなかったことが何度もある。

なんでそんなに猫を怖がっていたかだが、恐らく自分の中の格付けとして、”猫は自分より強い”と思ってたことが原因。
犬の場合は友達の家や近所の家で飼っているやつがたくさんいて触らせてもらってたから
だから犬は大丈夫なんだって思って怖がってなかったんだけど、猫の場合は触れる機会がなかったから恐怖の象徴だった。

それが変わった瞬間は、小学校3年生の時。
友達と遊ぶ予定で、自転車でその友達の家に行った時のことだった。

その時は自転車で友達の家まで行くと、猫が人の家の駐車場に寝転んでた。
猫を見つけた瞬間に体が固まったんだけど、どうやら猫は熟睡してるようだった。
やっぱり俺はすげぇビビってたんだけど、友達の家に行かないといけないから、なんとかして猫に気づいてもらわないといけない。
だから傍まで近づいていったら猫は耳がいいから途中で起きるだろうと思って、自転車に乗ったままゆっくりゆっくり近づいていった。
自転車に乗ったままなのは、猫が起きてこっちに何かしてこようとした時に防御になると思ったから。

すると猫の方はあんまりにもこっちがゆっくり近づいていったからなのか、全然起きない。
そしたらこっちも何処まで近づけるか興味が出てくるもんだから、更に自転車で近づいていく。
どんどん近づいていくんだけど、全く猫が起きない。
そしてついに、猫の目の前まで来てしまった。
そこまで来るともう次は猫に触れるくらいしかない。
俺はすげぇドキドキしながら、タイヤの先で猫に触れた。


瞬間、猫がものすごい勢いで飛び起きて、一瞬で逃げていった。


寝ていた猫にとっては、何が起こったのか全く理解出来なかったんだと思う。
いきなり自分に触れるものがあったから、自分が攻撃されると思って身の危険を感じ、まずその場から離れようとしたんだろう。
脱兎の如く逃げ出した猫は2・3秒で見えなくなった。

俺はあれだけ恐れていた猫がこんなに驚いたことが意外すぎて、すごいドキドキしていた。
そしてその日から俺の中で猫に対しての考え方は変わった。
猫は自分より弱い存在になり、下校途中に出会っても怖がらずに家に帰れるようになったんだ。

しかしその代償として、その日から俺は猫の世界から恐れられる存在になって、猫から俺に近づくことは一切なくなった。
俺が猫を見つけるたびに以前の小学校低学年の頃の俺のように、猫は何処かに逃げるようになった。
俺は猫のことを気にせず、自分のペースで生活できるようになった。

だけど、たまにふとした時に猫が物陰からこちらを見てる時がちょくちょくあることに気づいた。
なんでもないこととして思ってたんだけど、よくよく考えたら、以前の小学校低学年の頃の自分に似ている気がした。
そしたら自分のやった行いを思い出し、少しだけまた猫を怖がるようになった。

何故かというと・・・自分より強い存在に対して自分は、相手の油断してるタイミングで奇襲を仕掛けたから。
もしかしたら猫も反撃の機会を伺っているんじゃないかと思い、最近は猫が気になっている。

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