砂嵐


響さん  2008/05/20 21:09「怖い話投稿:ホラーテラー」
	

Aちゃんは深夜番組を見るのが好きだった。


学校があるというのに毎日毎日見ていた。



Aちゃんは深夜番組を見るのが日課というほどにまでになった。


ところがある日・・・


「なんでかなぁ?」


いつもの放送されている番組を見ようとしたが、砂嵐が映っていてるだけだった。


試しに他のチャンネルを見ても、ただ砂嵐が延々と続いているだけだった。


すると、砂嵐に何か映っているような気がした。


手持っていたリモコンを無意識に強く握りしめながら、目をこらして見ていたら・・・


瞬間的に砂嵐のような色の手がAちゃんの首を掴んだ。


徐々に力を込め、首を締め上げる。


苦しさと嘔吐感で意識が遠退きそうになったAちゃんは、死に物狂いで手に持っていたリモコンのボタンの電源を切った。


テレビの電源を切ったと同時に灰色の手が消えた。


締め上げられた気管支が一気に解放され、吐きそうになる衝動に駆られながらもAちゃんは必死にテレビから離れようとする。


そして、ヒューヒューと喉をならしAちゃんは、不意に足を捕まえられた。

確かに聞こえた声。



『捕まえたぁ!!』


頭に響くように聞こえた。


―離してぇぇぇ…


声にならない叫びを残し、Aちゃんはその日を境にいなくなってしまった。

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