放置

947 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/01/29(火) 14:43:14.71 ID:tCb4y3EqO
俺が18才の頃の話。 

夜9時過ぎ頃、居間で姉ちゃんと炬燵に入ってテレビを見ていた。 
両親が北海道出身だからか、家中を暖める癖があり、屋内のいろんなドアをよく開放していた。 
不意に、姉ちゃんがゥワッという顔で、開けたドアの向こう、暗い玄関を見た。 
俺「なに?」 
姉「いるいる」 
俺「ゴキブリ!?」(大っ嫌い) 
姉「違っバカ、玄関、オッサン、こっち見てる」 
なに、お化け?てかバカ?俺の反応の方が正常だろ。 
オッサンは俺には見えない、何も感じない。 
Gじゃなきゃ怖くない、どれ、と立ち上がって玄関へ。 
俺「どの辺?」 
姉「…靴脱いで、あがったとこ…」 
姉ちゃん、顔で『よせ』と言っている。 
この辺かな?クルッと振り向いて、顎に手を当てシャキッとポーズ。 
俺「どう?重なってる?」 
コクコク頷く姉ちゃん、汚物を見るような目で『このバカ』と言っている。 

そうしたら俺、手に何か違和感が。何か変な感じもしてきたぞ。 
おや? 
ぉお!? 
もしかしてこれは!? 

その時、階段をノシノシと降りてくる足音が。 
父「おぉい、弟、ちょっとどいてくれ」 
父さんが玄関でサンダルを突っ掛けた。 
俺横にどく。 
台所から母さん飛んでくる。 
母「ちょっと父さんやめてよ!」 
父「なんだよ」 
母「ラーメンでしょ!」 
父さん沈黙。 
母「さっきご飯食べたばかりじゃない!耄碌ジーサンじゃないんだから!」 
父「ラーメン食いたいんだよ!」 
母「心臓の血管詰まってるでしょ!死にたいの!?」 
父「いっつも薄味薄味で、ラーメンショップに、行きたいんだよ!」 

始まってしまった。俺は居間に戻り、ドアを閉めた。 
炬燵に入りテレビを観る。お笑い番組で、姉ちゃんと2人でひとしきり笑った。 
で、さぁもう寝るか、と立ち上がると。 
姉「あんたちょっと冷たいね」 
俺「いきなり何だよ、何がだよ。喧嘩なんかいつものことだ、いちいち止めない」 
姉「あの場にオッサン置いてきたじゃん。カワイソ、他人なのに」 
俺「…おっ…」 
言葉全部飲み込んだ。じゃないとこっちでも始まる。 
車庫から、車のエンジンがかかる音が聞こえた。 
オッサンがどうなったか知らない。 
そして、俺は寝た。 

以上、これが記念すべき俺の初・霊体験だ。 

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