掘る女

112 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/10/27(木) 16:04:36 ID:xutGarrP0 

去年の冬、彼女とドライブ中大げんかになり山中に捨てられた。
すぐ戻って来るだろうと思っていたのに戻って来ず。携帯は彼女の車の中だった…
真夜中で車も通らないし歩いて山を下りるしかなく、少しでも近道をしようとアスファルトじゃなくてじゃり道を選んだ。

その道は車一台がやっと通れるぐらいで、草は長く伸びていた。きっと長い間使われてなかったんだろう。
歩きにくいし寒いし怖いし辞めときゃよかったって思ったけど、今更坂道を戻るのはもっとダルかった。

すると明かりが見えた、近づくとワゴンRだった。車は俺にケツを向ける方向で、前を照らしている様だ。
「ガス欠か?取りあえず携帯ぐらい持ってるだろう」そう思い、
車の前へ回った「すいませーん」と声をかけた瞬間後悔した。
女が穴を掘っていたのだ。

思わず固まってしまい、逃げたら殺されるのかな?何て考えてた。
「どうしたんですか?」女の方から話しかけてきた。
俺は経緯を話し携帯を借りれないかと聞いて見たが、圏外だった。

何でもいいがそこから逃げ出したい。
俺は「じゃ、俺急ぐんで」と言って立ち去ろうとしたんだが、
「…手伝ってよ」女の一言で俺は逃げられなくなった。

「もうちょっとだから手伝って、そしたら送ってあげるから」そう言った女の右手は何故かスコップを上にかざしていて、
断れば振り落としそうだったからだ。

必死で穴を掘った。俺が掘っている間女は俺を見ながらしゃべっていた。
内容は覚えていないがどうでもいい話だったと思う…おしゃべり好きなのか、いろいろ聞かれたりしたが、
自分の素性がばれると良くない気がしたからウソを適当についていた。

やっと穴を掘り終えた。女が車から袋を持ってきた俺は死体が出て来るのかと思っていたが違った。
髪の毛がたくさん出てきた。一人分とは思えないぐらいだ。
「美容師さんなんですか?」と恐る恐る聞いたが無言でそれも怖かった。

車からたくさんの物を出しては捨てていた。
子供用品もあって、最後にはクーラーボックスも捨てていた。
俺はその中に赤ん坊が入っているんじゃないかとドキドキした。
結局何だったのか分からないまま俺は送られ終わってしまった。
今年に入って家の前に紙袋が置いてあった、開けてみるとたくさんの髪の毛だった。
瞬間俺は山での事を思い出したが偶然だろうか?

849:本当にあった怖い名無し[sage]:2005/12/07(水)13:34:01ID:jLSXZim70
>>112だけどみんな覚えているか?
彼女とドライブ中大げんかになり、山中に捨てられた男です。

この話を最近仲良くなった仕事の先輩に話したら先輩の好奇心にヒットしたらしく、
「その場所に行って穴を掘り返そう」と言いだした。
正直“紙袋いっぱいの髪の毛”の事が応えていたので関わりたくなかったのだが、
先輩は「じゃあ場所だけでも教えてくれ」何て言い出し、
最後には後に引けない所まで話は進んでしまい結局俺も行く事になってしまった。

仕事の帰りに先輩2人と俺の3人で山に向かった。
その山道は俺たちが行くとチェーンがかかっていて入れなくなっていたが、先輩はチェーンを外し、
去年よりものびきった草を踏み倒しながら俺たちが乗ったサーフはどんどん進んで行った。
「まあ、ちゃんと場所覚えてる訳じゃないし適当に穴を掘って何も出なければ先輩も諦めてくれるだろう」
と俺は思っていたんだがあの女が掘っていたと思われる場所は明らかに草が短く、
土の色も違っていて誰が見ても分かる感じだった。

「ここにまちがいねーなー」
「車のライトを当てろ、さっさと掘るぞー」
先輩達は目を輝かせながらどんどん掘っていった。
俺も早く帰りたかったから無心で掘った。
男3人だとあっという間に女が捨てた物達を掘り起こす事が出来た。

あの時は暗くてよく見えていなかったが思ったよりたくさんの物が出てきた。
そして一番気になっていたクーラーボックスが出てきたクーラーボックスをこじ開けると、
バシャっと黒い液体が出てきた。

先輩はクーラーボックスを落としてしまい黒い水は全部こぼれてしまった。
「え?何?こんだけ?」
「何だヨー死体とか期待してたのに」
先輩はがっかりしていた。

「小説じゃあるまいし、現実こんなもんだな」何て俺は考えながら穴を埋めて山を下った。
帰宅中、先輩が「痛い!手が痛い!」と叫びだした。

クーラーボックスをこじ開けたときに黒い水がかかった手だった。
俺たちは真っ青になり慌てて近くの病院に駆け込んだ。
診察してもらった所、軽度の火傷で終わり一安心したが、結局謎は謎のまま。
何も解決しないで終わってしまった。


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