遭難日記

739:本当にあった怖い名無し:2006/05/18(木) 09:40:50 ID:m20WVawR0 

12月4日。この雪山に遭難して約24時間。古い山小屋ではロクに暖も取れず、 
少々寒いが外で過ごす事は出来ない。助けはすぐに来るに違いないだろう。 

12月6日。助けはまだ来ない。 
この吹雪だから捜索が難航しているのだろう。 
落ち着いて待つ事にする。 

・時計が壊れてしまったので、日にちが分からない。 
食料が少しずつ減ってきた。水は雪を何とかして得られるが、 
空腹は辛いだろう。吹雪 はまだ止まない。 

・ドアからかぜがはいってくる。防寒ふくを多めに着ていてよかた。 
てがふるるえて上手く文字をかけないが、しかし私はあきらめない。 
あきらめたら終わりだ。 

・何という事だろう、あれほど吹いていた吹雪が嘘のように止み、 
私は救出隊に発見された。彼らに聞くと、12月12日だという。 
少し長い遭難体験だったが、もう終わりだ。この日記は、ここに置いていこうと思う。 
もし、ここで遭難してこれを読んだ者がいるなら、私は言いたい。 
決して諦めるな。助けは必ず来るのだから! 
12月12日 ○○○○ 
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日記の文字は時間を重ねるごとに筆圧が弱くなっていたが、 
最後のメッセージだけは希望に溢れたようにしっかりしていた。 
尚、連日に渡る猛吹雪のため、捜索が再開されたのは、 
それが少し弱まった12月14日の明朝の事である。 


この日記の書き手、彼の遭難者の行方は、 
現在も行方不明、とのこと。 

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