やばい奴

884 本当にあった怖い名無し New! 2014/02/16(日) 19:59:18.89 ID:Jv6LTsqu0

深夜、アパートの自室で、テレビのバラエティー番組を見ながら、カップ麺をすすっていると、 
「ぎゃあ!」 
という、女の悲鳴が聞こえた。耳元で叫ばれたような迫力に、びくっと肩が動いた。 
好奇心が恐怖に勝った。箸を置いて、窓辺に近づき、そろそろと窓を開けて、 
アパート前の道路を見下ろしてみると、ジャージ姿の若い男が走ってきた。 
まさか、と思った直後、男が不意にこちらを見上げ、立ちどまった。 
街灯に照らされた顔が、みるみる歪んでいく。 
男がまた走りだして、アパートの階段を登りはじめた。こちらも慌てて玄関へ走る。 
施錠を確認して、ドアノブから手を離した瞬間、向こうからドアノブが回された。 
続けざまに激しいノック。おれはその場に腰をぬかした。 
「早く出て来てください!」 男が叫ぶ。 
「その女はやばい!」 

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