307 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/05/28 01:46

亡くなった祖父が体験したこと。
戦争前。 
大学出てそのまま大陸の鉄道会社に就職したそうで、重慶付近だったかどこだったか、と 
にかく大陸でのこと。

あるとき、祖父の住んでいた町の近くで蝗の大発生が起きた。当時、この地域は何年かに 
一度こうした異常発生にみまわれたらしい。蝗の大群は田畑の作物をことごとく食い尽く 
してしまい、食料不足・飢餓も起こったという。 
そしていよいよ祖父の住む町にも蝗の大群がやってきた。 
家の窓という窓を締めきり、蝗が入ってこないようにして、ただただ通り過ぎるのを待つ。 
祖父にできることといえばそれだけ。ただ窓越しに蝗を見つづけるしかなかった。

蝗の群れのなかに祖父は変なものを見つけた。 
それは異常に大きな蝗。蝗の体長なんて知れたもの。大きくても数センチくらいのもので 
ある。しかしその蝗は桁ひとつちがった。子犬くらいの大きさはある巨大な蝗が飛んでい 
た。しかも体の色は燃えるように赤い色だった。祖父は大きさよりもむしろこの色で巨大 
蝗に気がついたという。

祖父は同僚もその蝗を見たということを後日知る。しかも同僚は複数匹が群れて飛行して 
いくのを見たらしい。祖父と同僚は自分たちの見たものが信じられずいろいろ調べたが、 
そんなものが載っている資料は当然なかった。地元の中国人に聞いたりもした。同じよう 
なものを大群のなかに見たものはいたのだが、それがなにか説明できるものはいなかった。

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