実録・八墓村な落ち武者がいた

93 実録・八つ墓村な落ち武者がいた sage 2013/08/12(月) 07:00:59.86 ID:FOT37q+C0 

これは数年前の話である。高校時代の同級生Bから電話があった。 
Bは親の家業の農家を継いでいる。 
「なあ、今日うちでバーベキューしないか?」 
「んああ、お前のところ田舎だろ、今車持ってないし」 
「大丈夫、Cのやつが途中で乗せてってやるってさ。あいつもバーベキュー 
 楽しみにしているからさ」 
そいうわけで、僕はBの住んでいる田舎まで行くことになった。 
Cが来たのは午後4時前だった。車は初代のホンダクロスロードだ。 
クロスロードに乗った僕はCに 
「へえー、クロスロードとかすごいじゃん。これレンジローバーだろ?」 
「ああ、親父の車でな、近道していくぞ」 
そういうわけで、カーステレオで僕が好きなセルジュ・ゲンズブールのベストアルバムを 
聞きながら、Bの家にまで行く近道を入った。 
トンネルを通り過ぎると廃墟がかなり並んでいた。僕は道路を見ると 
ルーマニア系の美女が歩いていた。 
「へえ珍しいな」 
と僕はにやける。 
それから数キロ走ると、さっき出会ったルーマニア系の美女にあった。 
顔をよく見ると顔が血まみれだ。 
真っ青になっていたCはクロスロードを飛ばす。 
その時ドンという音がした。 

振り返ってみると、火だるまの女がいるではないか! 
僕たちは急いでクロスロードを飛ばし、近道を通り抜け国道に入った。 
なんとか、Bの家に着いた。家には高校の同級生が何人かいた。 
「あれお前ら遅かったな?」 
Bにニヤケながら言う。僕は事情を説明した。 
「ふーん廃墟のところだろ?」 
「ああ」 
「お前らルーマニアの落ち武者って知っているか?正確にはルーマニアの落ち 
 ノーメンクラツーラなんだが」 
Bは僕たちに平成になって間もないことのことを話した。 

1989年のルーマニア革命が起こって、ルーマニアのノーメンクラツーラや 
セキュリターテがこの田舎に逃げ込んできた。 
田舎の住民は夜も眠れず過ごした。そんな時、反共主義者の県議会議員から 
「やつらは、この地上から消し去るべき、自堕落で、宿無し同然で、残忍で恩知らずな人種である。」 
「小さいのも大きいのも、すべて殺して頭の皮を剥ぐべきです。卵はシラミになりますから。」 
と一笑しながら言った。 
次の日、警察と地元の青年団が一緒になって落ちノーメンクラツーラ狩りを行った。 
隠れ家に行くと落ちノーメンクラツーラは白旗を掲げた。しかし青年団は突然、落ちノーメンクラツーラに発砲した。 
警察署署長はこの無差別虐殺の命令として、警察官や青年団たちにこう叫んだ。 
「殺せ! どいつもこいつも頭の皮を剥げ。大きいのも小さいのもだ。シラミの幼虫はシラミになるからな!」 
警察官や青年団がこの隠れ家に突入し、男も女も子供も問わず、無差別銃撃を浴びせた。 
人々は散りぢりになり、走り始めた。 
女子供は泣き叫びながら後の山の方へ逃げた。丸腰の男たちは抗議しながらシェルターへと退却した。 
警察官や青年団による無差別銃撃は、午後になっても続けられた。セキュリターテは交戦を試みたと言うが、 
人数も武装も足りず、戦闘と呼べるものではなかった。老若男女を問わない皆殺しだった。 

Bは一息つくと、ビールをがぶ飲みして 
「これは俺が親父から聞いたんだ」 
と話を続けた 

数少ない男たちは、全くの丸腰だった。女たちは自分たちと子供たちを隠すために、死に物狂いで 
土手の砂を爪で引っ掻いて穴を掘っていた。 
土手の陰に、5人の女たちが隠れていた。軍隊が近づいてくると、彼女らは走り出て、 
自分たちが女であることを知らせようとしたが、警察官たちは彼女らを撃ち殺してしまった。 
3~40人の女子供が穴に隠れていたが、女たちは6歳くらいの女児に白旗を持たせて送りだした。 
この女の子が2、3歩足を踏み出したか踏み出さないかのうちに、彼女も射殺されてしまった。 
穴の外に4、5人女がいて、慌てて走り出した。彼女らは全く抵抗の気配を見せなかった。 
殺された落ちノーメンクラツーラたちのすべてが、青年団によって頭の皮を剥がれていた。 

一人の女は腹を斬り裂かれて、胎児を引きずり出され、その胎児は脇に転がっていた。 
ほとんどすべて、男も女も子供たちも、頭の皮を剥がれていた。親父は、不具にされた1人の女性に会った。 
どの体も恐ろしく切り裂かれており、頭蓋骨が叩き割られていた。私は彼らが射殺された後、 
このようにされたものと判断している。指輪を取るために、指が鋸で切り取られており、また男だけでなく女も 
、いくつかの体が青年団によってのこぎりで切断されていた。次の朝、親父は男の子が 
死体の間でまだ生きているのを見た。親父は、警部補がコルトガバメントを取り出して、 
この男の子の頭を吹き飛ばすのを見た。一部の男たちが指輪を奪うために死体の指を切り落とし、 
銀の装飾品を奪うために、死体の耳を切り落しているのを見た。 
親父は、先ほどの警察官たちが、夜の間に落ちノーメンクラツーラたちの頭の皮を剥いで、埋葬された死体を 
掘り起こして装飾品を奪うのを見た。 

女・子供の死体は、見るもおぞましい方法で切断された。それ以上はとても正視に堪えなかった。彼らは、 
とてつもなく切り刻まれていた。...彼らは頭の皮を剥がれて、むごいやりかた...で切り裂かれていた。 
セキュリターテ幹部の死体は、鼻、耳、男性器を切り取られて転がっていた。一人の青年団が 
、「陰嚢で煙草入れを作るのだ」と言っていた。女たちは女性器をえぐり取られていた。 
ありとあらゆる略奪が、彼らの身体に加えられた。彼らは頭の皮を剥がれた、彼らの頭は打ち砕かれていた。 
男たちはナイフを使って女性を切り開き、小さな子供たちは、銃尻で頭を潰されて脳味噌を飛び散らせていた 
彼らの体を損壊したやりかたは、どんな言葉でも言い尽せない。それはこれまで見たこともないものだった。 
女は全員、バラバラに切断されていた... まだ生まれて2、3ヵ月の乳飲み子から大人まで、すべての世代がそこに転がっていた。 
兵士たちは指輪を奪うために指を切断し、子どもも合わせた男性の陰嚢は「小物入れにするため」切り取られた。 
男性器と合わせ、女性の女性器も「記念品として」切り取られ、警察官たちはそれを帽子の上に乗せて意気揚々と 
警察署へ戻った。 

Bが話を終えると、僕は質問した。 
「なんでマスコミは騒がなかったんですか?」 
「あんときは冷戦まっただ中でな、みんなアメリカマンセーだったから、誰も記事に 
 しないんだ。それからなんだ、元の隠れ家、つまりお前らが通った廃墟から 
 呻き声が聞こえたり、お前らがさっき見た火だるまの女が出たりと 
 幽霊の話が出てくるようになったのは」 

終わり 


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