渓流釣り奇譚

514 本当にあった怖い名無し age New! 2013/10/19(土) 00:45:46.12 ID:MOSHFLYs0

短編で 
俺、渓流釣りが好きで、山奥の渓流とか一人で行くんだけど、 
何度か変な経験がある。 

・福島県の某渓流。 
釣り人ならば良くする行為だと思うんだけど、そん時も同じように車から降りて林道?から 
川の様子を見ていたんだ、 
そしたら、いきなし左肩を「ドン」って押されて一歩前に出る感じになったんだ、 
で、振り返るが誰も居ない、 
で、まぁ川も狭いし、藪が茂っているからさおを出すのも大変そうだから、 
釣りするのはやめようって、車に乗って下流に下りていきました。 
おしまい 

・秋田県の某渓流 
川沿いを車で走っていた、良い入渓地点があったから車を停めて川に行こうとしたら、 
先行者が居たから暫く車の中でタバコを吸っていて、フッと河原を見たら先行者が居なくなっていた 
から、同じポイントに入ったんだ。 
いつもと同じようにフライ(西洋毛鉤)を流していたら、何とも魚の反応は上々! 
先行者(フライマン、俺と同じ)は、よっぽど下手なんだな~なんて思いながら釣り上がる。 
で、上流を見渡しても先ほどのフライマンは居ない、数百mは直線だから姿ぐらいは見えるはず、 
ちょっと変だななんて思いながらも、魚の反応が良いから、そんな事は気にも止めず、釣り上がる 
(釣りをしながら上流へ行く事)で、上流に行きながらある事に気づいた。 
渓流といえども岩場ばかりではなく砂地もある。でも先行者の足跡が無い。 
釣師だったら、だいたい同じ場所に立つか、移動すなら歩きやすい所を歩く。 
それでも足跡が無い。 
でも爆釣モードだからそんな事は気にしない。ひととおり釣り終えて、車に戻って一服して 
我に返って考えた。 
・入渓地点の下流側はスグに高さ10mぐらいの砂防ダム。 
・入渓地点に先行者の車無し 
・途中に停車していた車は?たぶん無かった。 
・同じフライマンが先行者で、こんなに魚の反応が良いか?普通はありえない(先行者が餌釣なら別) 
等々考えながら帰路につく 

・群馬県の某渓流 
その日はいつもの川で満足の得る釣果があったから、午後は行ったことが無い支流へ行ってみることにした。 
林道の車寄せに車を留めて河原に下りるが、いつもと違う雰囲気。 
そこは谷深い川でもなく、陽が河原に降り注ぐ川。普通なら気分が良い。 
秋田・岩手・山形・北海道・群馬・栃木 等の渓流を釣歩いているが、こんな変な気分は初めて。 
それでも流れるフライを目で追っているが、集中できない! 
誰かが見ている、すぐそこに居る。何度も振り向く。 
目線の高さで振り向くのではなく、左後ろ1.5mぐらい離れた下方。 
子供が体育座りして、俺の釣を見ているような感じ。 
しかしそこには河原の石だけ。 
でも、そこに誰か居る! 
その時、山仕事の地元のおじさんが現れ 
「釣れたかい?」   
俺「駄目ですねぇ~」 
おじさん「あっそうそう、このスグ下流に急な流れがあるだろ?」 
俺「ああ、有りますね」 
おじさん「そこで先週、川遊びをしていた子供が死んだんだよ」 

何事も無いように納竿して俺は車を下流に走らせた。 
車を運転し、その急流を横目で見ながら、こんな急流で最初から子供が遊ぶはずは無い、 
たぶん、おれが釣をしていた開けた河原で、流れが緩い川で遊んでいたが、何かの拍子で流されてしまい、 
この急流の箇所で亡くなってしまったのだろう。 

おしまい 




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