手が

555 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/08/19 15:12
夕暮れのドライブで埠頭までふらりと。
お盆を過ぎるとだんだん涼しくなるなぁとほんのりと海をながめて一服・・・

「!!!」

海から手が出ていました。

コールタールのようにどろりとしたものを思わせる海面から
指の部分だけが、まるで天に向かって助けを求めているかのように突き出していました。

薄暗くなってきた人気のない埠頭。
いやがうえにも恐怖はつのります。

足に重石をつけられて沈められた死体が何かの拍子に浮き上がってきたのか?
動揺を隠せず、薄闇に目をこらす。

・・・

なーんだ

肌色のゴム手袋が中に空気が入ったまんま、
プカプカ浮いて流れてきただけでした。
でも本当にビビりました。 

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