震災の話

281 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・投稿日:02/10/13 03:36
1月17日。悪夢は襲った。その日、俺は神奈川の叔母さんの所に居候の身で夜遅くまで仕
事をして、起きたのは昼過ぎだった。 
起きてリビングに行くと叔母さんが「神戸の方で地震があったらしよ」
と言った。俺も叔母さんも、そんなたいした地震じゃないだろうと思い一緒にテレビを見ていた。 
するとやけに見慣れたビルや道路、町並みが映り、見覚えのあるビルが燃えている...
そして神戸市内に入ったが、まだ家まではかなりある。街の中はガスが漏れているせいか、かなりガス臭い。 
そして途中で自衛隊の車が道路を塞いでいる。連絡もつかないしイラ立っていた。 
そして俺がクラクションを鳴らして言った。(パッパァァ~ン)俺「おい!どかさんかい!
通られへんやろがっ!ボケェ~!!」兵「関係者以外入れません。U
ターンして下さい」
俺「はぁ?」
兵「ですから危険なんでUターンして下さい」俺「ええからどかせや!嫌なら無理してでも通るど!どかせぇぇ!!」
兵「おたくね~こっから先は入られへん言うてんのがのがわからんのか?Uターンして、はよ帰れ!」

俺「この先に俺の家があるんじゃあ!ワレ何様のつもじゃ!もし親が死んだらお前のせい
やからなぁ!ワレの名前と住所、教えろや」兵「は?本当ですか?」俺は頭に来て財布か
ら免許証を取り出し、相手の顔面に叩きつけた。俺「まだなんか文句あんのかい?」
免許証を見て...
兵「失礼しました。先に言って頂ければ..」俺「先に聞くのが筋やろが!ボケナス!!早よぅそのクソ車をどけたらんかい!」
兵「途中、道路が陥没しているので気を付けてゆっくり走って下さい。どうぞ」と道を開けてくれた。 
そして、なんとか無事に家についた。両親、家族共に死者はいなかった。こ
れは奇跡に近いと言える。俺の実家は神戸の須磨~長田の調度、中間地点にあり、もっと
も被害が大きかった所である。そして、ここから本当の地獄のサバイバル生活が始まった!!

まず、電気、ガス、水道は一切使えない。持って行った米と水は近所の人達に分
け与えて残りは二日分の食料しか残らなかった。家の中は廃墟のようにガラスが散らばり
タンスは壊れ食器は壊れている。何も手をつけていないらしく、笑えたのはテレビが食器棚にめり込ん
でいた!どうやったらこうなるんだ!?しかも母親の部屋にある小さめのテレビだが、ふ
すまを見たら調度テレビが通り抜けたくらいの穴がポッカリ空いていた!母親の証言によ
ると、自分の寝ている目の前をテレビがスピンしながら飛んで行ったらしい...俺の部屋
は、俺が出て行ってからそのままにしてあったらしく、ベッドのスプリングの下、本棚の
裏、押し入れの中に隠してあった、エロ本、AVがフォーカスされていた!!しかも、
壊れたビデオデッキの中の機械をくり抜いて空洞にして、その中に隠しておい
た、お気に入りのAV+ノーカットバージョンまで粉砕されていた(涙)さて話は戻る...
サバイバル生活だが、俺の住んでいた所は市営住宅でしかも八階なのである。しかも電気
がダメなのでもちろんエレベーターも使えない。すべて階段の往復!水の持ち運びが一番きつかった!

飯を炊くのもナベに使うガスコンロで飯を炊いて、おかずなどないから、お
にぎりにして塩と海苔だけ。 
夕方五時を過ぎると冬なので、もう家の中は暗くなる。 
電池も無駄に出来ないので懐中電気は使わずロウソクを三本ほど立て、明日はどうするか
話をして七時には寝る。その間にも、ずっと震度③くらいの余震は続いている。 
さすがに寝るのが早いと起きるのも早い。 
灯油もないのでストーブも暖房も使えない。寒さと空腹感で朝の四時に目が覚める。 
昨日、決めた事は祖父、祖母は家の掃除。両親は物資の調達(電池、ロウソクなど)俺と兄貴は食料の調達。 
ここで問題なのは食料はうちだけじゃなく街中の人達がない為、
まだ地震があってすぐだから自衛隊の補給もない状態。電車やバスも動いてない。 
だから皆、大阪や京都まで車やバイクで買いに行く始末。 
だから大渋滞で無理だろうと俺は判断した。

兄貴は行く気満々。(アホだ)そこで俺は兄貴に
俺は逆の広島方面に行くと行って別行動を取った。もちろん行くはずない。俺には俺の考
えがあった。とりあえず朝、兄貴を見送ってから家に戻り物置から引っ張り出したのは、
ドラえもん風に、チャチャチャチャ~ン(釣り具セット~と登山セット~)まぁ~ようす
るに兄貴は足手まといだったわけやね。俺と違って、おデブちゃんだから...ごめんな。
まずは、釣りだ。海は歩いて10分くらいの所にあるし、エサは現地でカラス貝やフナムシ
を調達。釣りはよくやってたので冬だし狙うは、カサゴ、アイナメ、メバル...もしくは
沖に投げてキスかカレイかな~などと考えて釣り始めたが地震の影響かまったく釣れ
ねぇ!二時間粘って釣れたのは何故かワタリ蟹が一匹...はぁ~釣れねぇ~と思い釣った
カニを見ていたら、ふと閃いた!もしかしたら...ダッシュで防波堤まで行きコンクリートとコンクリートの間を覗き込む。

ムフフフフ~いるわ、いるわ、カニがウジャウジャい
やがる!!予定変更~カニ取りだぁ!取り方は簡単。上から竿でつついて隙間から海に出る所を網で
すくうだけ。小さい奴は逃がしてあげて20cm前後の奴を五匹捕まえて、計六匹。これにて
終了~何の種類のカニだろう、これ?まぁフグと違って毒はないから平気だろう。帰りに
明日に備えてタコ壷を仕掛けて帰った!


家に帰ると、祖父、祖母が目を丸くしてビックリしていた。祖母「どうしたん、これ?」
俺「海で取ってきた」祖母「食料を買いに行ったんちゃうの?」
俺「買うよりこっちの方が早いし金も何もかからんやろ、わざわざ買いに行くまでもない」
祖母「....」
とまぁ~こんな具合に生活してました。しかし本当に辛かったのは、着いた初日は朝なの
に火事でもえたススや灰が舞い上がり日没のように空はどんより曇り、子供が崩壊した家
の下敷きになり助けを求めて泣き叫ぶ母親。自衛隊も間に合わず、皆が手を貸して何とか
しようとするが機械も何もないので、どうする事も出来ず、また逃げ遅れて家と一緒に炎
に焼かれて死んで逝く人。道端に無造作に置かれた死体...一応、身内で亡くなった人が
いないか確認の為、体育館に行ったら、そこには100体近く並べられた死体...
そこには、同級生の死体もいくつかあった。しかし、あまりに多くの死体を初めて見たせ
いか、あまり悲しい気持ちにはならなかった。

それよりも明日をどう生きるかを考えてい
た。懐かしく母校である小学校、中学校に行くとそこには家を無くした家族や老夫婦がた
くさんいた。たくさんの老人達が生きる気力も無くした顔が今でも目に焼き付いている。
そして、その矢先に何よりもショッキングな出来事が数分後にその学校で起きた!ある老
人が最上階から飛び降りたらしい...そして同じ校舎のトイレで、また老人が首を吊って死んだらしい。 
二つとも遺書があり、
内容は、体もろくに動かない、ただ食べて寝るだけで、こんな時に皆の世話になるのは申
し訳ない。居ても邪魔になるだけだから... とゆうような内容だったらしい。これには、
俺も打ちのめされた。ぜんぜん知らない何の縁もゆかりも無い人の死だけど、ただ自分の
無力さに泣いている俺だった。だから、せめて自分の祖父、祖母にはそんな事がないよう
にするしかなかった。そんな中でも無情に時は過ぎて逝く。

明日の事を考え行動しなくて
はいけなかった...そんな中、一週間以上が過ぎ自衛隊から物資や食料も補給され始め電気、ガス、水道はま
だ直接は通らないものの何とか、一段落し、なんとかメドがついた。そして俺も、いつま
でも向こうの仕事をほったらかしにするわけには行かないので、後は兄貴に任せて向こうに帰る事にした。
死者5000人以上。役、6000人近くを出した、この大惨事。当然の事、何も無いはずがなく
そして再び、この地を踏む時、恐怖体験をするとは、この時は思いもよらなかった!
こうして話は現実編を終えて『心霊編』へ突入するのであった...

さて、あの震災から、約四ヶ月半ぶりに仕事を三日間休みをもらい再び車で一人、神戸に
戻った。その間、長田の方は無法地帯で特にひどかったらしく、まさに世紀末、『北斗の
拳』状態だったらしく、物取りや女性がレイプされて殺されたりしたらしい。街はまだ荒
れてはいたが崩壊した家などは完全に撤去されてキレイに何もなくなっていた。しかし、
まだ、学校には家を無くした人達が体育館や教室にいた。そこに友達の姿があった。
俺「よう!」
友「おぉ!久しぶりやんけ!帰って来たんか?」
俺「あぁ、心配でな。お前はどうしたんや」
友「来月、仮設住宅が立つから、それまでここに泊まっとんねん」俺「そうか~大変や
なぁ~」
友「ヒロはいつまで、こっちにおるの?」
俺「あと2~3日はおるよ、なんで?」
友「いや~連れはみんな親戚の家とかに行って遊ぶ相手がおれへんねん!」
俺「なんや~そんな事やったら俺が遊んだるやん!何やったら、今日一緒にこの学校に泊
まったろか?」

友「マジ!?メッチャ嬉しいわ!ようさん話したい事もあんねん」俺「ほな、俺いったん
着替え取りに家に帰るわ」
友「わかった。待ってるで!」
俺「おぅ!ほなっ!」
さて、皆さん。この学校は(現実編)で書いたように、飛び降り、首吊りがあった所で、
しかも、この小学校に通う生徒も何人かは亡くなっているはず... その時は俺も友達に会
えて嬉しくなり、そんな事はまったく考えもしなかったのである。そして、俺は着替えを
持って学校に行き夜までは外をプラプラして友達と楽しい時間を過ごした。そして夜の九
時を過ぎたあたりから他の人達が寝始めたので喋ってると悪いから廊下に出て昔のこの校
舎で一緒に授業を受け遊んだ事を思い出しながら話に華を咲かせた。廊下から運動場が見
えるので友達が
友「運動場に行ってみぃひんか?」
俺「かまわんよ。」
友「ほな行こか」

教室は三階だったので、もう電気は消灯で消えているので懐中電灯を持って来て暗い廊下
を歩き出した。時間はもう0時を回っていたと思う。やはり暗い廊下だと少し怖くなり嫌
な予感がした。とその時、友達がこんな事を言い出した。
友「学校で寝てると、誰かが廊下をパタパタパタ~って走るねん。音からして子供の足音
やねんなぁ~」
俺は否定も出来ないから...
俺「そら、やっぱりここの生徒で死んだ子供もおるから...」
友「やっぱり、それしかないわな~」
俺「そう...やな...」と言いながら階段を降りて行く...
トン..トン..トン..
ゆっくりしたペースて階段を降りていく。
すると!!

トン..トン..トン... パタパタパタパタパタタタ...と上の方から廊下を走る音がし
た!!
俺と友人はビクッ!として目を合わせた。
俺「聞いた?」
友「ああ..聞こえた」俺「大丈夫だろう、さぁ早く降りようや」
友「そやな」
トントントントン... と早いペースで階段を降りて行く...
そして、何かおかしいので友人を止めた。
俺「ちょっと待って」友「何?どないしたんや?」
俺「シッ...静かに」 すると...
タンタタンタン...パタパタパタ...タンタンタン...パタパタ...俺「階段を...」
友「降りて来て..る」俺「ヤバイ!走れ!」もうダッシュで降りるとゆうより飛び降りる
といった方が正しい。急いで運動場に飛び出した!
友「なんやぁ今の!」俺「さぁ...でも明らかに近づいて来てたよな...」

そして調度、向かいにある校舎に目をやって、ふと四階の窓を見たら誰か立っていたけ
ど、あまり気にはしなかった。友人と、あぁ~マジ恐かった!と話をしていてもう一度、
四階を見たらもういなかったのでやっぱりトイレだったのかな~
と思い話してたら、友人が「おい、あそこに誰かおるぞ!」とあの四階を指差した。
俺「ん?あぁさっきも居たよ。あそこで寝てる人がトイレに行って帰って来たんやろ」
友「いや..違うねん!あっちの校舎はもう授業が始まってるから、泊まってる人はこっち
の校舎だけで、向こうは入られへんはずやねん!」
俺「...マジ!?」
友「マジや...」
ともう一度、友人と見たがもう居なかった。友「おかしいなぁ~」俺「ちょっと近くまで
行ってみよか?」
友「そやな~行ってみよか!」
二人共、好奇心大盛である!!

近くまで行き一階の窓を調べたが鍵がかかっている。友人は窓にへばりつくように顔を押
し付けて奥を見ようとしている。俺は四階の方を見上げた。
「あれ?」と思った。四階から誰か下を見るように、誰かが顔を出している。暗くて顔が
よく見えない...
俺「おい...」
友「ちょっと待って」俺「おいっ!てば」
友「ちょっと待てってば!何か見える...」 俺「いいから、こっちを見ろや」
友「いや...こっちに何かあるで」
友人はどうも一階の奥が気になるらしい... 俺はもう一度、上を見てみた。「ん!?」
なんか、さっきより出てるぞ?さっきは顔だけだったのに胸のあたりまで出てる....
(これは...なんかヤバイぞ...非常にヤバイ気がするぞ...)
俺「おい!戻るで!」友「なんやね~どないしたんや!」
俺「上を見ろっ!」
友「ん~(上を見上げる)...うぉっ!何やぁ~あれ!」
俺「いいから来い!」と友人の腕を引っ張ってその場所から離れて5メートル程離れた瞬間!

ゴッ!ドサッ!!


っと後ろでコンクリートに頭を打ち付けたような鈍い音と何かが
落ちた音がした!俺達は一瞬足が止まった...
俺「振り向くなよ...絶対に振り向くなよ」
友「あぁ...わかってる...」
もう声が震えている。友「ど...どうしたらええん...」
俺「動くな...じっとしてろ」
すると...
ジャリ...ズズズズ...と後ろで何かを引きずる音がした!!
そして!
ズズ...ジャリ..ズズズ [ウゥゥ...アァ...]と声がした!!
俺と友「...!!」
俺と友人は、金縛りじゃなく、もう恐怖と緊張で体がすくんでしまい、カチカチに固まり
動けなくなっていた。しかし音は近づいて来る!!
ズズ..ザッ..ザザ... 俺(ヤバイ...動け、俺の体動いてくれ!)とその時!!
国道を走る大型トラックのクラクションが鳴り響いた。(パッパァァァァァ~ン!プ
シュップシュゥゥ~)

俺と友[ビクッ!!]あまりに大きい音が、俺達の呪縛を解いた!俺と友人は顔を見合わ
せ、その瞬間!スーパーダッシュで走り、寝泊まりしている校舎の中に駆け込んだ。
{今、思うとなぜ門の外に出なかったのかなぁ~と思う...}
俺と友「ハァッ..ハァッ..ハァッ!」
友「何やね!今の!」俺「たぶん自殺した人やろな...」
友「マジかいや~!」俺「それ以外、考えられへんやろ?」
友「...そう...やな」
俺「なんか、めっちゃ喉が渇いたな~」
友「そうやな~講堂にジュースとお茶があるから取りに行こか」
俺「行こ、行こ。マジで喉渇いた!」
もうすっかり子供の霊の事など忘れていた。「いや~マジで恐かったなぁ~ションベンち
びるか思たで」などと話をしながら講堂に辿り着き無事、ジュースと烏龍茶を確保した。
そして...
友「なぁ...ションベンしたいねんけど..」俺「あぁ...そういえばトイレでも首吊り自殺
があったらしいで」友「...何でそんな事ゆうねぇぇ~!!もぉ~~勘弁してぇ~なぁ
~!!」

俺「ホンマの事やねんから、しゃあない」
友「ど...どこのトイレかな?」
俺「知らん...でも生徒用トイレは確率高いよな」
友「じゃあ職員用トイレに行こか?」
俺「え?行こか?って一人で行ってこいよ」友「なんでやぁ~一緒に行こうや!」
俺「俺、別にションベンしたないもん」
友「ちょっと、マジで頼む!なっなっ」
俺「いや~怖いやろうな~小便してる時に後ろのドアが開いたりなんかして...そんで振
り向いたら目の前に老人が立ってたらどないする?」
友「もぉぉぉ~ホンマ頼む!一緒に来てくれ!100円やるから!!」
俺「嫌や...」
友「なんでやねん!」
俺「俺かて怖い...」
友「ほな、連れションしよ。なっ?」
俺「だから俺は小便はしたないゆうてるやん」
友「あぁ~もう我慢出来へん!膀胱がおかしなるぅぅ~!!頼むわ~一緒に来てぇ~な」
俺「嘘、嘘!俺も実は行きたかってん(笑)」
友「なんやそれ?じゃ早く行こ!漏れそうやねん!」

とりあえず職員トイレに入り電気を付けたが何故か薄暗い...俺は何か嫌な空気だなぁ~
と思ったが、また友人を怖がらせるのもどうか...と思ったし 本当に何かの気配を感じて
たので早く済ませて出ようと思った。
二人並んで仲良く、連れション。
{ジョロロロロロォォォ~}
すると後ろで
「カタッ...」っと小さな音がした...
友人の顔を見ると、その音に気付いた様子もなく、そうとう溜まっていたのか(ホォォ
~)と幸せそうな顔をして用を足している。
俺も気にし過ぎだろうと思い用を足していた。すると、後ろの大便用のドアが(ギッ...
キィィィーーッ)と開いた...
俺(マジかよ...)
すると友人がビックリして振り返った!!
俺「あぁぁぁっ!!俺のズボンにションベンがついたぁぁ!!」
しかし友人は後ろの便器を見たまま動かない...
そして、俺も首だけを回して後ろを見た。

そこには、調度、便器の上に立つようにして人の形をした霧みたいなモヤが、
かかっている!!
友人は何かに取り憑かれたように、その人影をジーっと見つめたまま動かない。(下半身
の{ピーー}も出したままである)
俺「おい!」
友「...」
ただジーっと何かを見ている...
俺「おいってば!」
と友人の体を揺さぶった!
友「....ん..あぁ..」と目をパチパチさせなから正気に戻ったようだがまだ頭がボーっと
してるようで目が泳いでいる。しかし、イチモツだけは、ちゃんとしまっていた。
俺「ほらっ出るぞ」
友「あぁ.....」
と返事はするが、そこから動こうとしない。俺「出ろってば!」
と腕を引っ張っても、出ようとしない。
俺(これは憑かれたのか?マズイ...)
とりあえず正気に戻そうと俺は、おもいっきりビンタをした!
[バチィィッ!!]
俺「ほらっ!おいっ!しっかりせぇっ!!」と、また体を揺さぶった。

すると...
友「...!?どうした?何かあったのか?」俺「(ホッ...戻った)とりあえず出るぞ」友
人もわけの解らないまま、俺に引っ張り出された。そして、その場から離れて階段に腰掛
けた。
俺「お前、何も憶えてへんの?」
友「いや...俺もわけわからんねんけど..」友人が言うには、こうらしい。まず、用を足
している時に後ろのドアが開いたから、ビックリして見たらしい。するとそこには、人が
ダラーっと下を向いて、ぶら下がるように便器の上にいたらしい。俺が見たのは白い人型
のモヤのようなものが便器の上に立っているように見えた。しかし、ほぼつじつまが合
う。そして、それが顔を上げた瞬間、目と目が合ったらしい。顔は老人だったそうだ。そ
れから俺の声は聞こえていたのだがその老人から目を離す事が出来なくて
俺の声は聞こえていたらしいのだが、ヤマビコのように、何かグァ~ングァ~ン響いて何
を言ってるか解らなかったらしい。それから先の記憶は一切無いらしく何か衝撃があって
(俺のスーパービンタだな)気がついたら俺が目の前にいたそうだ。友「シーーチッ
チッ」俺「どないした?」友「いや...口の中がヒリヒリする」
口の中に指を入れて見る
友「あれ?血が出てるで?なんでやろ?」

俺「クックック(笑)シソーノーローなんちゃうの?」
友「そら、歯グキやろ?ちゃうねん!この、ほっぺたの裏っかわや!見てみぃ」
俺「どれ?」
と見ていたら、俺と友人は階段の一番下に座っていたので横を向くと上がる階段が視界に入る。 
友人の口の中を見ようと横を向いたら視界に何かが入った!階段を上がりきった、
所に(誰か...いる!?)友人の口を見るフリをして、目線を階段の上に向けると、 
調度、真ん中に子供が立っている!!小学二年~三年くらいの子供だろうか?定かではない。 
俺(なんて日なんだ今日は...これ以上は嫌だな、もう...)
「なぁ、今日はやっぱり家に泊まりに来ぇへんか?」
友「俺も怖いからそうするわ!」

俺「今、何時やろ?」
腕時計を見た...
{8:88}俺「....バカになってはる」
俺「まぁええわ!ほな行こか~」
と階段の上を見させないように一人でスタスタ歩いていった。
友人もそのまま付いてきたのでホッとして、家に帰った。時計を見たら、もう四時を過ぎ
ていた。その後、友人は俺が帰るまでは俺の家に泊まり、その後は仮設住宅が出来るまで
自分の車の中で寝ていたそうだ。今でも、たまに神戸に帰り、その友人と会うと必ずその
時の話が出る。彼はそれ以降、心霊体験は無いそうだ。もう二度と嫌だとも言っているが
...『終』


最後までお付き合い、ありがとうございました。これを書くのに、正直、迷いがありました。 
死者6000人近くを出した大惨事。やっぱり自分自身、直接ではないにしろ被災者の立
場であり多くの友人を失いました。あの時の光景はあまりにも悲惨で、まさに地獄絵図で
した。でもあれから8~9年の月日が経ち考え方やいろんな事が変化し今日も、無事に俺は
生きています。そんな、こんなをふまえて主旨である心霊編とは別に現実編とゆうのも書
かせて頂きました。まぁ~お決まりとゆう事で、この小学校は俺の母校で今でもあります。
場所は須磨~長田の間にある国道二号線沿いにある小学校です。
もし神戸に行かれる事がある方は中には入れないと思いますが外からなら充分見れます。
夜、もしかしたら四階に人が見えるかもしれません!?
長くなりましたが、最後に震災で亡くなられた方の、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。では... 

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