すれ違ったおばあさん

635 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/30(月) 13:04
 高校のときの学校の帰りのことです。当時付き合っていた彼女と「ちょっと歩きたいね。」と
いうことで、いつも一緒に降りる駅のひとつ手前で下車し駅前からつづく山道を手を取り合って
登って行きました。
 高い山ではなく30分もすれば頂上に着きそこから見える瀬戸内海のうみを見ながら一休みし、
いつも降りる駅に続く別の道で下山しました。よく考えると下山途中、散歩のおばあさんとすれ
違った以外、誰ともすれ違ってませんでした。
 30分程山を降り、彼女を連れて家に帰りました。帰るなり母親が「あなた、財布落としてな
い?」というので「なんでだよ?」といいながらポケットに手を当てると確かに財布が無いことに
気がつきました。(でも待てよ、さっき山の頂上で缶コーヒーを買ったときにはあったぞ?)
 母の話ではついさっきおばあさんがわざわざ持ってきてくれたらしい。 なんでも、私の財布
の定期の電話番号を見て電話してから持ってきてくれたらしい。
 私は彼女と顔を見合わせてお互いに不思議な面持ちで話しました。
「さっき山ですれ違ったおばあさんだろうけど、いつ追い抜かれたんだろうね?」
 確かに山頂の公園には公衆電話もあったが、それにしては時間的に無理なはず。
オカルトでは無いけど不可解な出来事でした。 

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