保養所

357 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/11(水) 05:04
ほんのりなので書かせていただきます。
冬に父の会社関係の保養所に泊まりに行った時の事。
後から行くから先に行っててと母と妹に言われたので
1人で大浴場に行き、湯船につかってました。ですが、
浴室には誰も居なくて寂しいし、薄暗い上に湯気が立ち込めて
見通しが悪く、少し怖くなった私は早々に体を洗って出る事に
しました。頭を洗っていると、風呂桶がコンと鳴る音が。
男湯の音が響いて来たのかなと振り返るとご婦人が体に湯を
かけている所でした。頭洗ってて入って来たのに気付かなかったの
だろうと思い、人が居る事に安心した私は最後に体を温めてから
部屋に戻ろうと、また湯船につかりました。
ご婦人とは離れて入ったのですが、彼女が「ご家族でいらっしゃったの?」
と聞くので「はい、スキーをしに来ました」と答えました。
すると彼女は「いいわねぇ。私は主人と2人で温泉が目的で来たの。
でも、2人だから旧館にしか泊まれなくて。折角新しくなったのに」
と言いました。そういえば、この宿を取る時に父が
「湯○曽の保養所、新しくなったらしいから今年はそっちにしよう」
と言っていたのを思い出しました。「それは残念ですね」と曖昧に
答えておきました。 

丁度その時、妹が入って来たので話はそのままになり
ご婦人はそのまま風呂から出て行きました。
ほぼ入れ違い位に母が入って来たので、先程のご婦人との会話を
母にすると「さっき出て行ったの?私会わなかったわよ?」と
言われました。浴場に来る為の通路は長い廊下一つで
他にルートはありません。「走って帰ったのかな」「足が速いとか」
と笑って話していましたが、なんとなく私は嫌な気持ちでした。
私だけ先に部屋に戻って、父にその話をすると父は憮然とした顔で
「旧館は、本館を建てなおす時に拡大する為に取り壊している」
と言いました。そして「俺をからかうな」と怒られました。
(父は厳格で、冗談や、笑い話の類が嫌いなのです。)
次の日の朝、管理人の方に旧館の事を聞きましたが
やはり「もうありませんよ」と言われました。
私はあのご婦人にからかわれたのでしょうか? 

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