電話

216 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/01(日) 04:30
俺がガキのころ、実家の電話は黒電話でした。
若い人はもう見た事ない人もいるかも。黒いズングリしたボディーで、
呼び出し音がベルなんですね。ジリリリリーーン!と結構ハデな音を
出すので心臓に悪いです(笑) 当時の電電公社(NTTの事ね)の統一
規格で、大抵の家庭の電話はコレでした。

ウチは自営業だったんだけど親が両親とも飲兵衛で、仕事の後二人
して飲みに行って夜中近くまで帰ってこない事もよくありました。
そんな夜、2階の子供部屋で寝ていたところ、電話の音で目がさめま
した。電話は1階なんだけど、音が派手なのでしばらく鳴りつづけてる
と寝てても目覚めちゃうんですね。

親が電話してきたのかな、とも思ったんですが、しばらく躊躇してました。
ガキですから電気が消えて真っ暗な1階に下りるのが嫌だったんです。
でもいつまでも鳴っているので、恐る恐るとりにいったんですね。階段
を降りながら思いました。 

親がかけてきたのなら、数回鳴らして出なければ「もう寝てるんだな」と
判断して切るはず。それを何十回と続けてるって事は何がなんでも
出て欲しいって事なんだろう。・・・何か重大な事が起きたのか?!

慌てて電話を取り「もしもしっ?」 ところが、受話器を上げたのに、
まだ呼び出し音が鳴ってるんです。ジリリリリーン ジリリリリーンて。
えっ?と思っいました。違うんです、電話機の呼び出し音が止まら
ないんじゃなくて・・・

受話器の向こうで、ジリリリリーン ジリリリリーンって音が鳴り続け
てたんです。慌てて電話を切って2階へ駆け上り、親が帰ってくる
まで布団頭までかぶって震えてました。ちなみに、親に聞いたら
その晩は家には電話していなかったそうです。

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