観光地の山坂道のトンネル

699 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/12(金) 09:59:17.51 ID:LgMgTbaf0
25年位前夏の話し 
バイト先の社長とミニツーリングを企画したが社長は当日集合時間を過ぎても来なかった 
社長宅に電話したが誰もでない 待ち合わせ時間を1H程過ぎてから一人で出発した 
ルートは前もって決めていた観光地の山坂道 

社長が途中合流できるのを期待し長めの休憩を挟みながら一人で走る 
峠上りの見晴らしの良い場所で一服していると天候が悪くなってきたので合流を諦め 
ルートを短縮して帰ろうと再始動した 
峠終わりのトンネルに差し掛かった頃にはシールドを濡らす位に小雨が降り始め合羽 
を着ようか考えているうちにトンネル突入した 

突然視界が奪われ焦る トンネル内が霧で充満し1m先も見えない 
ライトを点けスピードを極端に落とし辛うじて出口を射している筈のぼんやりした光に 
向かって進み始めた 
照明もセンターラインも無いが1分もあれば抜ける短いトンネルのはずなのだが 
何時まで走っても出口に着かない  

しかし何故か冷静で対向車も後続車も期待できない細道なのでガマンするしかないと黙々と進む 
視界が悪すぎ進行方向遠くの光とライトに照らされた霧を凝視するのがやっとで視界下 
方の暗く赤いメーターやバックミラーも直視できない 
暫く進んで引き返えそうと思い始めたが左右の壁も見えない状況とこの頃になると恐怖が 
浮かんできてUターンの為に停止するなど出来なくなっていた 

視界のせいか高まる恐怖の為か?だんだん平衡感覚が薄れはじめてきた 
トンネル内部は平坦だったはずだが空中を上下天地も分からず飛んでいるような感覚? 
このままでは運転能力的に拙いと思いはじめたが止まる訳にはいかない 
何故か止めてしまうと出られなくなると思った 

何とかコケないようにと手探りで低速で進む 相変わらず出口は遠くに感じる 
いいかげんヤバイと焦り始めた頃にいきなり外に出た  
明るく強烈な日差しが眩しい素晴らしい快晴だった トンネルに入る前の天候からは 
とても考えられない  
出口より10mほど先で停車し振りかえった 出口は見えるが奥が見える角度ではない 
二度とこのトンネルは通らないと誓った  
*社長は急性腸炎で入院していた  

おわり 

710 :699[sage]:2011/08/12(金) 13:41:22.01 ID:LgMgTbaf0
社長は直に退院しました 
が私は2ヵ月後に辞めたので詳しくは知らないのですが 
常連客に聞いたところ半年もせずに離婚 
1年後に店はなくなり社長も何処へ行ったかは不明だそうです 

実は続き?があってその話は気が向いたら夜にでも貼ります

半月程後 懲りもせず夜中に一人で山坂道の観光地を目指す 
有料急坂道を一気に駆け上がり頂上でまず一服 ゆっくり下りながら湖を目指す 
無事に湖に到着し休憩後 帰りは正月に有名なルートを使うことにした  
途中の池を左に見ながら流している辺りで違和感を覚え始めた雰囲気が暗い 

まー上の話もこの話も同じ有名な観光地の山坂道ってことでw 
上の話のトンネルはグーグルマップで確認したら100mもなかったヨw 

ゆっくりといくつかのコーナーを抜け左右に提灯が規則正しく並ぶ短い直線にでた 
提灯の灯りで夕焼けの様に明るい 直線の終わりの反対車線に白い浴衣を着た女性?が 
見える エンブレを使いながらゆっくり下りる 女性の脇を通り過ぎ右コーナーを抜ける  
提灯が無くなったので薄暗くなった道をさらに流す 

いくつかのコーナーを抜けると左右に提灯が規則正しく並ぶ短い直線にでた 
提灯の終わりに白い女性が見える 
若干あれっ?と思いながらも時刻は午前零時を過ぎているし眠気のせいか? 
たいして疑問も感じず女性の脇を通り過ぎ右コーナーを抜ける 
いくつかのコーナーを抜けると左右に提灯が規則正しく並ぶ短い直線にでた 
直線の終わりの反対車線に白い浴衣を着た女性が見える 

ここで流石に気がついた これはヤバイのか?と思い単車を左に寄せ停車した 
辺りを確認し女性に目を向ける 何故かその後白い女性からが目が離せなくなる 
タバコを吸って落ち着きたいがフルフェイスのメットを脱ぐ間に女性から目を離す 
のが怖い 
意を決しメットを脱いだ 白い女性は同じ場所に居る とりあえず一服して落ち着く  

何故か再度あの女性の前を通るのが怖く あの女性が居る限りこの道から出られない 
と思った どうしたものかと考える 引き返すのも怖かった 先刻の池を通過してから 
おかしいと感じていたので池の前を通るのもイヤだった 
斜向かいに自販機が見える 喉が渇いたので何か飲みたかったが単車から離れるのも 
心細く再度タバコに火を点けた タバコを吸い終え暫くすると坂の上の方から走行音が 
聞こえた 

提灯道の始まりに音源が入ってきたので思わずそちらに振り向く ライトの灯りに続き 
白い車がこちらに向かってくる 
直に女性の方へ向き直る 女性は相変わらずそこに居る 
白い車は自分の横を通り女性の前も通り過ぎ 右コーナーに入り視界からいなくなった 

気がつくと白い女性が見えない 坂を下っていったのか居なくなっていた 
コレはチャンスか?!と直にメットを被り発進した  
先の女性が居た場所を通り過ぎ右コーナーを抜ける 曲がった先にも誰も居ない 
記憶にある道をたどり通り過ぎても短い提灯道は現れず下って行く 

やっと駅前に差し掛かった 対向車とすれ違う 
平地?にたどり着いたせいなのか安堵感が満ちてくる 
駅前のコンビニで一息つきながら この観光地には暫く来ない方がいいかなと思った 
海沿いの有料道路を駆け抜け左折 国道を北上途中に眠気で信号が変わると同時にウイ 
リーしたがコケないですんだw 無事帰宅できました 

おわり 

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