「お…ぉ…ぉぉ…い」
568 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/04(木) 19:26:13.55 ID:WWhLUzMJ0
厳密には山ではないかもしれないが。
北海道、札幌圏の観光地であるS湖だが、すぐそばにもうひとつ小さな湖、
「O湖」というのがある。山の中、谷底である。
しばらく訪れていないので、今の様子は知らないが、20年ほど前は、
湖を望めるぎりぎりのところで突き当たりになる観光道路があり、
道路の終端は駐車場になっていた。
当時俺はよく大学の講義をサボってS湖方面に遊びにいっていた。
峠のタイトなコーナーが続く、まあ走り好きな連中が集まる道路だったからだ。
ハードな走りに飽きると、そのO湖への道に入り、終端まで走っては湖を眺めて
のんびりするのが楽しかった。
ある夜のことだ。その日は珍しく大学での講義とゼミにしっかり参加し、
S湖方面に向かったのは深夜に近かった。平日ということもあってか、
いつも走りに来ている連中もいなくて、俺も気合を入れて走る気になれずに
早々にO湖への道に向かった。
霧が出ている。この辺りで霧は珍しくもないのだが、とても濃い霧で、乗っている
単車のステップすら見えない。慎重に走り、何とか駐車場に到着した。
少し休憩して、霧が晴れたら帰ろう、と思った俺は、他に誰もいない駐車場で
単車の脇にしゃがみこみ、タバコに火をつけたんだ。
半分ほど吸った頃だと思う。妙な物音が聞こえてきた。
「ガサッ」「ガサッ」「バキッ」…。
小動物が立てている音かとも思ったが、どうも様子が変だ。そして、音はだんだんと
俺のほうに近づいてくる。
「ウゥ~…」
うめき声まで聞こえてきたようだ。さすがに少し怖くなって周囲を見回すが、周りには
何もいないようだ。
そのとき突然
「お…ぉ…ぉぉ…い」
「お…お…ぉぉ…ぃ」
明らかに人の声だ。
「だ…ヵぁ…、だれ…ぁ…、…の…ぁ…」
うわー、これぜったいなんかおかしなものに違いない!と、思ったのだが、怖くて身動きできない。
霧は相変わらず深く濃く、どうしたらいいんだろう、と半狂乱になりながらただただ焦っていた。
ある夜のことだ。その日は珍しく大学での講義とゼミにしっかり参加し、
S湖方面に向かったのは深夜に近かった。平日ということもあってか、
いつも走りに来ている連中もいなくて、俺も気合を入れて走る気になれずに
早々にO湖への道に向かった。
霧が出ている。この辺りで霧は珍しくもないのだが、とても濃い霧で、乗っている
単車のステップすら見えない。慎重に走り、何とか駐車場に到着した。
少し休憩して、霧が晴れたら帰ろう、と思った俺は、他に誰もいない駐車場で
単車の脇にしゃがみこみ、タバコに火をつけたんだ。
半分ほど吸った頃だと思う。妙な物音が聞こえてきた。
「ガサッ」「ガサッ」「バキッ」…。
小動物が立てている音かとも思ったが、どうも様子が変だ。そして、音はだんだんと
俺のほうに近づいてくる。
「ウゥ~…」
うめき声まで聞こえてきたようだ。さすがに少し怖くなって周囲を見回すが、周りには
何もいないようだ。
そのとき突然
「お…ぉ…ぉぉ…い」
「お…お…ぉぉ…ぃ」
明らかに人の声だ。
「だ…ヵぁ…、だれ…ぁ…、…の…ぁ…」
うわー、これぜったいなんかおかしなものに違いない!と、思ったのだが、怖くて身動きできない。
霧は相変わらず深く濃く、どうしたらいいんだろう、と半狂乱になりながらただただ焦っていた。