河童を釣ることになった

427 :顔 ◆3EgJTOI8PA :2011/07/29(金) 14:55:03.58 ID:eCiK923w0
カッパにちなんでこんな話。 
友人が子供の頃に体験した話らしい。 
自分の爺さんが、河童にあったなんて話すから、そんな事件が起きた 
と言っていた。爺さんだけ河童を見たのが悔しくて、近所の男子を 
みんな呼んで河童を釣ることになった。 
潜って探す奴。釣り竿の針に胡瓜を付ける奴。重りと針を使って 
川底にキュウリを仕掛ける奴まで居た。 
結局昼になっても見つからず、みんなして火をたいてジャガイモを焼いて食っ 
てたときだった。岸に刺さってた竿が、ズルリッと川底に引っ張られて 
ゆく。次いで川底の罠にもかかった。みんな我先にと、罠の縄を 
つかんで引っ張ったが、男子が7人がかりでも引き上げれなかった・・・ 
そのうち一人が、「潜って捕る!」と言い出すと、 
「おえもだ」・「一緒にあべ」・「いくどぉ!」と言い、 
ジャガイモと火をほったらかしに、裸やパンツ一丁でみんな竹槍を 
持ったりして川に潜った。

すると、川底に罠はなく、ひもの先は川底の泥に刺さっていた。 
みんな対岸にあがって 
「なんだべ・・・あえは」 
「だえがやったんだべが?」 
「人だ見てるとこであっただことできるわけねぇべった!!」 
「んだやなぁ・・・」 
と言っていると一人が、 
「あえはなんだっ!?」 
と言った。そこを見てみると串に刺さったジャガイモを持って 
口には胡瓜の入った箱の縄をくわえ、その先には石の重りがある。 
目は鋭く、巨大な犬歯が口から見える。頭に皿はなく、 
背中に甲羅があり、甲羅の終わりと、頭から、コケのような毛が 
長く生えていた。そいつはニッと笑うと、四つんばいで犬のように走り、 
柳の林の中に消えていった。 

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