「やま」

355 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/04/26(火) 10:26:10.02 ID:DNFI4602O
厳密な山の話じゃないけど、自分はだだっ広い平野の田舎生まれで、山は遠くに青く見えるだけ。 
そんな土地で「やま」というのは、普通の日本語で「森」のことだ。(「もり」は「林」) 
九州の山国から嫁いできた母は、最初「やま抜けて行く」と言われて、きょとんとしたそうだ。 

そんな「やま」も今は切り開かれて少なくなったんだが、まだ残ってるとこもある。 
市内の中学校の周りがそう。 

その中学に学校交流とか練習試合で行く時は、「やまに気をつけろ」って言われる。 
「やま」に入って、中学校にたどり着けないことがよくあるからだ。 

「やま」に入る前はちゃんと中学校が見えてるし、方向を確認して入るんだが、「やま」に入った途端、中学校が見えなくなって方向も間違って迷子になる。 
中学校が見えてるのに、どうやってもたどり着けない、ってこともあるそうだ。 
中学校の門までちゃんと道がつけてあるのに、迷子が出る。鬱蒼としてるわけでもない、普通の雑木林なのに。 
毎年4、5月に、一年生と新しく赴任した教師が迷子になっても、騒がれなかったらしい。 

自分も練習試合に行くと間違いなく迷子になったけど、なんで迷うのか納得行かなくてムカついたなぁ。 
一度、向こうの部員が見たいっつったじいちゃんの居合い刀(使用済み)を持ってった時は、迷わなかったけど。 

今は県道が通って跡形もないけど、自分の行った高校の裏門辺りにも、「やま」があった。 
親が同じ高校出身なんだけど、うちから高校まで歩いて15分もないのに、「やま」を抜けたら異常に時間がたってて遅刻、ってことが、よくあったらしい。 
親だけじゃなくて、裏門使ってる生徒が大抵経験してるから、学校が「やま」の入り口と途中に時計つけてたって(笑) 
でも裏門で待ってる教師は、絶対「やま」に入って遅刻生徒を急かさなかったんだってさ。 
門に立って「遅刻するなよー」「早くしろよー」って。 
教師も迷子になるのが怖かったんじゃね。 

そういう「おかしな」事をする森を「やま」って言ってたのかなーと思う。このスレにあるみたいに、山って人を惑わしたりするから。 

今は跡形もない高校裏門の「やま」だけど、アスファルトで舗装されたきれいな道の真ん中に、今でも蛇イチゴが生える。 
「やま」の一部を使って作ったサッカー場の時計は、気がつくとくるってたりする。 

あの土地は、まだ自分を「やま」だって思ってんだろうな。 

綺麗に纏めたwww 
作り話って言われんだろうなぁ(笑) 

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