憑依していた何か

62 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/13(日) 21:08
ただ送るだけではなんだから、オレが小学生の時のはなしでも。
当時微妙に「こっくりさん」が流行っていて、うちも例に漏れずこっくりさんをやっていた。
ある時、私の姉の学年で、昼休みに女子がこっくりさんを行っていた。
ところが、儀式が長引きすぎて、昼休みでは終わらず、
5時間目が始まるからと先生に無理矢理止めさせられた。
行き場のないこっくりさんは、女の子の体を媒体に暴走した。

5時間目は「図画工作」、その日は彫刻刀をもちいて巨大な蝋燭に飾り模様を入れるという単元であった。
刃物というのは、たやすく人を殺せるため、それ相応の分別がある人間でなくてはあまりに危険すぎる。
そして惨劇は起こるべくして起こった。

昼休みにこっくりさんをやっていた女の子の1人が突如立ち上がり、前の席の子の背中に思い切り突き刺したのだ。
先生も相当狼狽したらしく、何にどう対処していいか分からなかったが、先ずは刺した子を抑えて、児童の1人に保健の先生を呼びに行かせた。
すぐさま救急車が学校に到着、刺された子は病院に搬送された。

以来、オレ達は興味本位でこっくりさんをやることを止めた。
「こっくりさん」の話題を出すことさえ憚られた。
今になって心配なのは、そのとき誰も「憑依していた何か」を払って(鎮めて)いないことだ。
幸いにも、今のところこの話には後日談はないが。 

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