変な光

529:07/19(木) 03:45 gzX3/y4U0 [sage] 
今年の春過ぎに麓から見るとまだ山に残雪があったので 
土日を利用して山スキーをやる会社の同僚と山に行った時の話。 
その日午前中いっぱいをクレバスのチェックしながら登って、そのあと夕方4時くらいまでずっとリフトのない山で登っては滑って遊んでた。 
そのあと山小屋に行った。休日には観光客もたまにいて、その日も山小屋はすでにおじさん二人が来ていておじさん同士で話をしていた。 
夜飯を食い終わると俺たちもおじさんの話に加わりずっと男4人で山とかスキーの話をしていた。 

俺はタバコを吸うのでおっさんたちには遠慮して外に吸いに出たんだけど月が満月に近くて、明るかったから山小屋近くの湿地になってる木のないとこまで小屋のサンダル履きのまま行ってボーッとタバコ吸ってた。 
景色いいなぁ、とか思って午後にスノボしてた山頂の方を見たら変な 
人の形っぽい光が浮いてた。 
視点がおかしいのかなぁとか思いながらジーッと見てたら 
微妙に揺れるか、回るかしていた。ヤベっとか思ってすぐ山小屋に向かったんだけど、戻る途中もあの変なのが急にこっちに向かってくるんじゃねーかとか何度もうしろ振り返って変な光を確認してた。 

ブルブルしながら小屋に入ってすぐ同僚とおっさんに見た変な光を説明したら、同僚がはしご登って山小屋の2階の窓から山のほうを覗いた。 
「ホントだ、なんか光ってますよ」って言ったらおっさん2人も覗き込んだ。 
「何でしょうね、反射か何かであんなふうに見えるんですかね」 
とか言ってずっと見てた。

最初は3人とも恐々とみていたけど、 
そのうち覗き込んでる姿勢が疲れてきておっさん二人は窓から離れて、俺の同僚の窓からの現状レポートを聞きながら光について俺と話してた。 
なんかの幽霊かとか、UFOとかじゃないかとか、噴出してるガスが月の光に当たってちょうど山小屋側から光って見えるんじゃないかとかいろいろな憶測をしていた。 
で、話し合った結果、もし霊ならあの下に遭難者が埋まってる可能性もあるので明日にでも付近を掘ってみようって話になった。 
その話の間もずっと光は山の斜面上にあった。 

とりあえず、光も消えそうにないので、おっさんたちは下で、俺らは2階の窓からちょっと窓から離れて寝ることにした。 
寝転がりながらも何回か光を確認しながら同僚と話をしてたら、夜半に雲がでてきて光が見えなくなるかも、とか思いながら窓を見て雲が光のほうに近づいて覆っていくのを観察することにした。 
じっと見てると、雲が光に覆いかぶさる瞬間、光がフラーッとしたまま足を動かして移動し始めたように見えた。そのあと雲で景色も見えなくなって俺らも寝てしまった。 
今思うと、確かに疲れはあったが何であの状況で寝れたのか不思議だ。 

翌日4人でその付近を確かめようと近くまで登ったんだけど雪が予想以上に硬く、また範囲もあまり特定できずにあきらめ、俺らもその日滑らないで下山した。 
未だにあれが何だったのかわからんけど、似たようなことないか調べたらフライング・ヒューマノイドと言って世界各地で目撃されてる現象らしい。 
怖くなくて申し訳ない。 

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