「なあ、見て」

337 本当にあった怖い名無し sage 2005/11/07(月) 21:57:07 ID:HkL10AY60
いつも屋上で一緒に昼飯を食ってる友達が、授業の 
延長か何かで、いつもより遅れた。 
屋上にはオレと、もう一人、携帯で話してる女子だけ。 
上履きが緑色ってことは、オレより2つ上だ。 
どこと無くノーブルな感じの背の高い子で、ぶっちゃけ凄い好みだった。 
じっと見るのも何なので、こっちも携帯をいじるフリをしながら 
チラチラ横目で見ていた。 
と、そこに本当に友人からのメールが来てしまった。 
「今日、○○(俺の名前)ん所で食お」 
仕方なく返そうとして、暫くその女子から目線が外れた。 

「なあ、見て、○○」 

・・・へ?オレの名前? 
振り向くと、さっきの女子がじっとこちらを見ていた。 
金網を登りながら。 
「ちょ、な、何してんねん!!」 
駆け寄ろうとした瞬間、彼女は金網の一番上から、つるん、と身を投げ出した。 
前回りの様に。 

何がなんだか分からなくなって、足が動かないまま、 
開きっぱなしの口を閉じることもできなかった。 
一拍の後 
「人、とにかく人を呼ばんと!!」 
そう思って入り口の方に向き直った時。 

「なあ、見て」 

はっきり聞こえる、女の声。 

「なあ、○○、なあ」 

「なあ、○○、見て」 

「なあ、○○、なあ、見て」 

「なあ、なあ、見て、なあ、な 

ガチャ 
目の前のドアが開き、向こうから女子の4人組が現れた。 
立ち尽くしているオレを見て、微妙な顔をしていたが、 
オレの横をすれ違うと、そのまま皆で座って喋り始めた。 

足がガクガクしてるのを必死で隠して、教室に戻ると 
友達はもう前で待っていた。 
震えを我慢した腕で弁当を無言で渡すと、 
窓からそっと下を見てみた。 
何もない。 
そのまま正面を向いた。 


目は合わなかった。しかし、足は見えてしまった。 
緑色の上履き   

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