学校の近くにアパートを借りてもらった

429 :本当にあった怖い名無し:2012/08/26(日) 02:46:17.58 ID:izfqtTrQ0
学校に通うため、1人暮らしをすることになった。
それで、親に学校の近くにアパートを借りてもらった。
7階建てのそのアパートは、元々はどこか企業の社員寮だったらしく
アパート名に企業の名前を冠していた。

部屋は、ユニットバスがついた6畳のワンルームで
元が社員寮だったからか主に学生が入居するからか、
どちらが理由かは不明だが、台所は1つの階で共有だった。

また、建物内にPBXがあるらしく、各部屋間は
無料で内線電話ができるようになっていた。

さて、入居して1~2ヶ月経ったある日、
学校から帰って部屋に入ると、ユニットバスから
水の流れる音がする。
怖くなった俺は、隣の部屋のヤツに頼みこんで、
一緒に部屋とユニットバスを見てもらった。

結局、ユニットバスの蛇口から水が出ていること以外
特に変わったところはなかった。
普段シャワーしか使わない俺は、蛇口から水が出ていたことを
気味が悪いと思いつつ、部屋の入口のドアも窓も施錠されていたので
俺がボケていたのだろう、と自分自身を納得させた。

別のある日、電話(もちろん内線)で同じアパートに住む友人と話をし
上のフロアにある友人の部屋に行くことになった。
階段はアパートの屋内にあり、階と階の間にも踊り場があるものだった。
俺は、友人の住むフロアが見える踊り場、友人が3階に住んでいるとしたら
2.5階に相当する踊り場から、ふと見上げた。

そこには、フロアへの出入口から見知らぬ男が頭を傾げたようにして
こちらを見て、頭を引っ込めた。
ひどく驚いた俺は、驚かされたことに怒りを感じて後を追いかけたが
誰もいない。

落ち着いて思い返していると、男は頭を傾げておらず、
首自体が地面と平行にあったと思う。
あり得ないことだが、寝た姿勢で1.5メートル程度浮いた状態で
物陰から頭と首だけ出してこちらを伺ったか、生首だったのかもしれない。

このことは友人と「この建物には何かいるのかもしれない」という
話だけで終わってしまった。

それから暫くの間、不審な出来事は起きなかったが、ある夜のこと。

土日だったのか、授業をサボったのか忘れてしまったが、
俺は昼間のバイトで疲れてベッドで眠っていた。

音が聞こえる。自転車の走る「シャーッ」という音。
音には動きがあった。部屋の中で円を描くように動いている。

夢ごこちの俺は
「部屋の中で自転車が走っているなぁ」
と思っていた。

すぐに意識が戻った。そんなことはあり得ない。
部屋で何が起きているのか確かめようと体を起こそうとしたが
できなかった。

金縛り…ではないと思う。
身体がベッドのマットレスに沈み込んでいくのを感じた。
何かに上から凄い力で押さえ込まれている。
闇のせいで何が俺を押さえつけているのかわからない。

無我夢中で、俺は枕元にあった電話まで這って行った。
スピーカーフォンとリダイアルのボタンをアゴで押し、
恐らく内線だったと思う、建物の知人か友人に電話した。

ルルルルル…という音のあとにガチャという
受話器を上げたときの音が聞こえた。
「もしもし!? もしもし!?」
俺は電話に向かって怒鳴ったが、相手からの応答がない。

ひたすら無言。

いつの間にか身体の自由が利くようになっていることに気づいた俺は、
恐怖から逃れたい一心で部屋の照明を点けることにした。
手探りで壁にあるスイッチをONにした。背後が明るくなるのを感じた。
少し安堵しつつ、振り返り壁を背にして、部屋の様子を見てみた。

瞬間、部屋が真っ暗になった。

あわてた俺は、再度スイッチをONにした。部屋が明るくなる。
だが、部屋の様子を見ようと振り返ると照明が消えて闇に包まれる。
それを何回か繰り返しているうち、嫌なことに思い至った。

照明自体が点灯しなくなったのではない。
照明のスイッチがOFFに戻っているのだ。

頭のどこかで「やってはダメだ」と言っている自分がいたが
俺は、照明のスイッチをONにした指をそのままスイッチの上に
置いたままにすることにした。

照明のスイッチをONにする。指に力を入れる。
そのまま部屋の方を見てみる。照明が消え部屋が暗くなった。
同時に指先に何かが触れるのを感じた。

そこから先は何も覚えていない。気絶したのだと思う。

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