鉄錆の臭い

993 :本当にあった怖い名無し:2012/08/08(水) 01:51:38.88 ID:Dzti65Hg0
こないだ6月の終わり頃、仕事である地方都市に一泊予定で出張したんだ
そしたら支社からもう一ヶ所取引先に顔を出さなきゃならなくなって
宿泊は遅くに駅前のビジネス・ホテルでとることになった
特別予約とか入れてなくて目に付いたとこに入ったんだけど
普通に部屋はとれた 7時過ぎくらい
カードキーをもらって3階の部屋に入って
クローゼットに荷物を入れようと開けたときに
中の空気がぼふっという感じで顔に当たった
自分はどっちかというと霊感があるほうなんだけど
その時すごくイヤーな感じがした
こういうふうに押し入れやなんかの空気がこもってるところを開けたときに
空気が逃げ出すような感じで外にでてくるとこはあまりよくないんだ
しかもその空気がちょっとだけ鉄錆のような臭いがする
こういう場合はその部屋で3ヶ月以内に血を流した人がいる
血を流すような死に方をしてるんだな
これはそのクローゼットの中でということじゃないけど

それで部屋を替えてもらおうかとも思ったけど、
腹が減ってたんでまず外に飯を食いに行くことにした
わりと近くにチェーンの居酒屋があったんで、
そこでビールと冷酒を飲んで部屋に帰ったのが10時過ぎくらい
けっこう酔っ払ってたんで
替えてもらうよう言うのがめんどくさくなってそのまま部屋に戻った
会社には明日の午前中に帰ればいいんで
目覚ましを9時にセットしてからシステムバスの戸を開けると
むわっと鉄錆の臭いが強くなって
ああここで人が死んでるんだと確信めいた感じがして
汗もかいてたんだけど風呂はやめて寝ることにした
下着だけになってエアコンを調節して部屋の小さい電気だけつけて
ベッドは壁にひっついてるんからその壁のほうを向いて寝た

寝つけないかと思ったらすぐ眠れた
ただ眠りは浅くて寝ながらすごく汗をかいてるのがわかる
何と言ったらいいか
すぐにでも目が覚めそうなんだけど意志の力で無理矢理眠ってる状態になってる
その状態のまま30分くらいたったくらいに
クキーイという微かな音が背中のほうでしてシステムバスのドアが開いたと思った
それだけじゃなくザシャ、ザシャという音もして
これは何かが這って出てくる音のような気がする
そこで完全に目が覚めてしまって、思わず目を開いた
そしたら目の前に焦茶色のベッドの木枠があって
そこに何かが書いてというか彫ってある
部屋の小さい明かりが反射してそれがよく見えるんだけど
たぶん爪でひっかいたらしく、塗料は剥がれてなくてかすかにへこんでるだけ
目で追うと「ココ出マス フリカエッチャダメ」と読める
その間にも背中のほうでせまい部屋の中を何かが這いずる音が続いている

自分は勘弁してくれよ~と思いながら目をつぶってじっとしていると
背中のものが立ち上がった感じがする
ベッドのほうに近づいてくる感じがする
ベッドの脇に立って腰を曲げてこちらをのぞき込んでる感じがする
目をつぶっててもその気配がびんびん伝わってくるんだ
そのものは女らしくて血の臭いの他にヘアコンディショナーかなにかの匂いもする
首筋に何かがさわる感じが微かにある 濡れた髪の毛の先だろうか
身を固くしていると
そのものが上になった耳もとに口を寄せて
「そこの・・・書きこみ見たでしょ・・・・・・わたしが書いたの・・・」
えっ、と思って思わず薄目を開けると
自分の顔と壁の間に空間はないはずなのに
そこにごろんと濡れてぐしゃぐしゃになった髪の長い女の頭があって
転がるようにこちらに顔を向けると口から大量の血を吐き出した

その後のことはまったく覚えていない
気が付いたら目覚ましが鳴って9時になっていた
朝の気配が充満していて昨夜の嫌な感じは消えている
昨日と違っていたのは
ベッドの部屋側、壁と反対を向いて寝ていること
エアコンがなぜか熱風を出していることと
それから昨日のことを思い出してベッドの枠の書き込みをさがしたら
「ココデ死ニマス クヤシイ」に変わっていたこと
もう逃げるようにしてチェックアウトした
それからこれまで特に霊障のようなものはない
読みにくい文章でスマンかった

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