業というのは血につきまとう
722 :本当にあった怖い名無し:2012/04/10(火) 16:54:08.94 ID:zx/TI2EdO
何となく思い出して吐き出したくなったので投下。
まず、今回の話に関係のある人間を簡単にまとめておく。
[本家I]
祖父 叔父(母の弟) 叔父妻 叔父息子(Sとする)
[分家B](俺の実家)
俺母 俺 俺妹
それと、A村、そしてとり敢えずはK町のすべての人間。
途中で飽きるかもしれんし、元々俺自身、文章を書くのがそんなに得意な方じゃないから、それでも構わないって言ってくれる奴だけ暇つぶしにでも付き合ってくれ。
事の発端は約20年前、叔父妻が叔父に嫁いだことから始まった。
祖父と今は亡き祖母、当時20代後半だった俺の母までもが猛反対したがそもそもが叔父のほとんど一方通行な一目惚れ。
叔父がこの人以外には考えられない、叔父妻との結婚を認めてくれないなら一生結婚しない、というのでほとんど強行突破というか、
叔父が我を通す形で祖父母と母としては泣く泣く縁談がまとまったらしい。
一応紙にざっとまとめてはいるんだが、いかんせん携帯からなのもあって思ったより投下スピートが遅くなりそうだ。
勘弁してほしい。
この結婚のくだりについては俺が俺母に直接聞いた話なんだが
言っておくと、祖父母とその娘である俺の母は類い稀にみる良心的な人間だ。(叔父だけは少し毛色が違うようだが。)
身内の俺が言うのもなんだけど、本当に。
少々問題があろうと、間違っても家族の結婚に水をさすような人達ではない。
むしろ受け入れて何かできることはないかと申し出るくらいなんだが
ただこの叔父妻というのがそんな祖父達に、結婚前からすでに心底嫌がられるような人間だった。
(結婚前からというのは、叔父と叔父妻は本家とは別宅の祖父母の持ち家での同棲期間があった。)
振り返って俺の目から見ても割と最悪な人間だったように思う。
具体的には汚部屋に始まり(あれ以上を見ることはこれから多分、一生ないと思う。
どうしたらこうなるんだ!?ってくらい汚い。何年も掃除してないみたいに埃っぽくって、食べ掛けの弁当が部屋の隅に放置されててゴミ袋だらけ。
臭いわ買いまくった服や化粧品がところ構わず積んである。
口紅とか百くらい立ててあって、蓋がなくなったりしてるのもあって、でも埃が積もって持つとネトネトしてた。)
家事は一切しない。
表向きだけは良い顔をしていて、仕事ではそれなりの立場にあったようだったが
その陰で家では祖父母(主に祖母)を虐め抜いていた。
これについては俺の母も俺も一生許せないと思う。
叔父に対しては、元々叔父と叔父妻の結婚自体が叔父の独り善がりのようなもので
叔父妻からすれば"美味しい話が転がり込んできた"というくらいの話だったのは一目瞭然(I家はK町ではそれなりに大きい家だった。)、
叔父が(誰が)何を言おうが叔父妻はまったく聞く耳を持たない。
と、この話、祖母と母の認識では「とんでもないダメ嫁が来た」というもので、そういう理由で二人は叔父の結婚に反対したのだが、
祖父が反対した本当の理由は実は違うところにあった。
いや、もうこれだけのダメ嫁ならもうそれだけで勘弁って感じなんだけどね。
これは祖父と俺しか知らないし、祖母は亡くなったし、叔父息子も知らないんだろうな。
俺の母もこれから先も知ることはないと思う。
俺の大好きなその祖父も一昨年、いなくなってしまった。
生きているのか死んでいるのかも分からない。生きていてほしいけど、恐らく後者のようなそんな気がしている。
祖父は寺の次男に生まれて、祖母に一目惚れ(さすが親子といったところだけど、祖父と祖母の場合は正解だったと思う。)、
祖父も祖母も実家を出て、二人で新しく家を建てた。
祖父は仕事も真面目にやっていてそれなりに財産はあったが
恐ろしい強運の持ち主で、道路の幅を拡げる工事のための家の立ち退きや何やらが重なり結構な額を貰ったそうだ。
他にも祖父の武勇伝は色々あるがここでは関係ないので割愛する。
それで建てたのが今の本家。だから、本家といっても歴史は浅い。
というか俺の実家から見て本家というだけ。
対して祖父の兄は寺を継いだらしいが、祖父が家を出てからも非常に仲が良く、普段人前で泣かない祖父が祖父兄の葬儀では号泣したらしい。
祖父の兄が亡くなったのは、俺がまだ小さい頃だったから俺の記憶にはない。
その祖父から、俺が幼い頃からまるで親が子供に昔話をするように(子供にも分かり易く)聞かされていた話。
どの一族にも大なり小なり"業"というものがある。
祖父の建てた家はまだ新しいが、業というのは血につきまとうんだと。(詳しく言えば物質的に離れれば多少緩和される類いのものもある。)
俺の一族が何をしてきたかそんな大昔のことは、昔から地位があったり歴史のあるような家ではないので分からない。
だが、祖父の知る限り祖父や祖母や親類も、男親に縁の薄い業の元に生まれているという。
それも結構強いものらしく、祖父の父の何代か前の人が寺に入ってからというもの少しでも業を軽くするために、代々努めていると。
俺の両親は離婚して、よく覚えてはいるけれど俺に父親はいない。
その父親だった人の父は幼い頃に見た額縁に入った白黒写真でしか顔を知らない。病死だったと聞いた。
その人は、父が物心ついた時にはもう亡くなっていて
父もまた母子家庭で、お金がなく苦労したと昔聞いたことがある。
そういえば祖母の実家も父がおらず(精神病による自殺らしい)
祖母の兄(祖母の兄弟の中でただ一人の男)も鬱病で家の中にこもりっきりらしい。
親類もみな、父親がいなかったり
いても精神を病んでいたり、人格破綻者。
言われてみれば、なぜ今までこの異常に気づかなかったのかと思うほど、心当たりがありすぎるほどあり
祖父の実家筋の者だけが、俺含めそれを免れているように思えた。
お努めのお陰だと祖父は言っていた。
縁というのは基本的に、よく似た縁の者同士が寄るものなんだそうだ。
(例外もあって、酷い業を背負う血筋の人間が、徳のある人間の縁に惹かれてくっつく場合もある)
(こんないい人がどうしてあんなクズと一緒になったんだろうってことがあると思うんだけど、多分そのせい。)
(じゃあ結婚する前にその人とはやめたらいいんじゃ?って祖父にたずねたこともあるんだが、人間の意思を超えたところで
本人や周りがどうしようが、結びつくものもあるらしい。)
祖父がいなくなる前、なんとなく叔父妻の血も代々男に関するものじゃなかろうか?と推測を立てていた俺は
(一番最近では叔父妻の兄が変死した。)
祖父にそれを伝えてみたところ、急に黙って難しい顔をしていた。
話が飛び飛びになって申し訳ないが、外堀から埋めていきます。
話は変わって、叔父妻なんだが
叔父妻はAという寂れた村…?の出で(最早村とは呼べない感じだった。車で走ってたまに家を見付けてもほとんど空き家。)
叔父息子のSとは親友でよく交流があったので、小学生の時までは叔父妻の運転する車で何度か一緒に連れて行ってもらったことがあった。
祖父が感じよくだが、それとなくそれを阻止しているのが分かったが、小さい頃は周りの大人はみんないい人だと思い込み、安心しきっていて
叔父妻に抵抗なんてまるっきりなく、何よりSと遊びに出る!というのが魅力的でついていってた。
妹はまだ小さかったのでしぶしぶ祖父母の言うことを聞くこともあったが(祖母が引き留めるのは、叔父妻への不信感のため)
小さいながらに多分Sのことが好きだった俺の妹は、振り切ってついてくることもたまにあった。
俺は妹とは仲はいいけれど、手放しでSと遊びたかったのでその時はただ邪魔くせえなあと思っていた。
子供って深いこと考えてない生き物だよな。(俺だけかな。)
叔父妻の実家があるところは叔父妻の実家の他に三件ほどボロ家が建っていて、そこには人が住んでいた。
A村の中で人がいるのはそこだけだったのかもしれない。
周りに本当に人気がなかった。
行き帰りの道沿いに見えた家も、明らかに誰も住んでないのが分かる空き家。
叔父妻実家は、周りは山ばっかりだったとはいえ、水の綺麗な大きな川が側を流れてて、わりと開けた場所にあって
太陽だって照ってて、空気も綺麗だったのに、その辺で一人でいると妙に薄ら寒いの。
訳もなく足がすくむくらい不気味だったけど、周りを見れば全然そんな雰囲気じゃないし
Sや人の近くにいればそれも緩和されていたのか、すぐに忘れてSと遊び回っていた。
叔父妻の実家も案の定ボロ家、畳が汚い汚い。
黄色いハエ取りシールみたいなのがあちこちから無数に垂れ下がってたけど、ハエなんていない。
わりと傍若無人なクソガキだった俺は、外で遊び疲れて帰ってきて何か飲むものと思い
叔父妻の実家の冷蔵庫を無断で開けた。
叔父妻やその父母は外の畑のところで、Sの様子を見ながら立ち話をしていた。
賞味期限切れのものからよく分からない得体の知れないものまで。
叔父妻の実家の印象は、汚い。
汚部屋じゃなく片付いてはいるんだけど、畳はまっ黄色だし
食べる海苔あるじゃない?ご飯にかけて食べるやつ。
カビかと思ったんだけど、そいつがそこら中についてる。
俺がその時開けた白い冷蔵庫にもびっしり。
ハエ取り?といい今でも異常だと思うけど、深く考えてなかった。
疲れた、喉乾いた、なんだこれ?気持ち悪りー、くらい。
その時はじいさんばあさん外にいたみたいだけど、いつもその小汚ない畳の上で寄り添って薄ら笑い浮かべてた。
寄り添うというか、それもまた異様な感じで、こっちが何話しても気持ち悪い薄ら笑いを浮かべてる。
何言ってるのか分からない。その時は何を言ってるのか分かったと思うんだけど思い出せない。
子供ながらにそのジジババだけは本当に気持ち悪くて嫌いだった。
特に婆さんの方。
で、そのジジババが普段使ってる冷蔵庫。
気持ち悪かったけど、喉が乾いてるし、飲み物は持ってない。
夜まで帰れそうもない。
怖いものみたさもあって、飲み物探すついでに冷蔵庫の中を見ることにした。
冷蔵庫の中はほとんど賞味期限切れの食品で、剥き出しにしてある魚と、牛乳、あとよく分からない干物みたいな物
唯一マシな形であったのは冷蔵庫で冷やしてあった干し柿ぐらい。
その奥に綺麗な瓶があった。
俺はその頃家で飼ってた犬が死んで、犬猫の葬儀場でお葬式をあげたんだけど
その犬用のお骨入れにそっくりだった。
不透明の、パカッと蓋をとって開ける形の、白い瓶。
犬が亡くなった後気持ちが落ち着いて、愛犬が骨になったのが単純に不思議で
家に置いてある骨壺をたまに覗いてみたりしていた俺は、ためらいなくそれを前の方に出してきて開けた。
犬の骨壺と違って、結構重さがあった。
何と説明すればいいのか分からないけど、イカの塩辛っていうの?
あれだと思った。臭いし、親戚の家で食べたことがあったから。
すげえくせえなあと思いながら、家の中が薄暗いせいで、形はすぐはっきり分かったんだけど、色が分かるまで少し時間がかかった。
腐った血だった。何か混ぜてあるのか、本当に塩辛っぽいような状態(液体じゃない)だった。
そこにイカみたいな白いものが浮いてる。
この悪臭は塩辛の臭いじゃないんだと思った瞬間えずきそうになったが
水面に所々固まった血の上のぶつぶつが動いてるように見えて思わず目を凝らした。
よく見たら虫のようだった。多分ウジ。それが無数に小さく蠢いてる。
俺は蓋を閉めた。元の位置の奥の方に押しやるのもできなくて、とりあえず人のいるところに行きたくて玄関を飛び出してSのところに行った。
冷蔵庫の中にウジはわくんだろうかと思ったが、オンボロで中はそんなに冷たくなかった。
それよりもう不気味で仕方なく、Sを見付けてほっとしたが、そのすぐ側にジジババがいる。
俺は早く帰ろうとSを急かしたが、何を話しているのか叔父妻とジジババは延々と立ち話を続けていて、結局帰れたのは夜遅くなってからだった。
一刻も早く誰かに言ってしまいたかったが、叔父妻のいる車の中でSにこの話をするのは何となく躊躇われ
そのまま送ってもらい家に着いた。
身体が異常にだるくて夕食もいらないと言ってお風呂に入って寝てしまおうとしたが、その後なぜか祖父がすごい剣幕でやってきて
訳も分からないままお酒を飲まされ俺は吐いた。
何故祖父に分かったのか分からないが、祖父がやってきた時なんとなくあの塩辛のような血の塊に心当たりがついて、妙に冷静に「あ、多分あれのせいだな」と思いながらゲエゲエ吐いた。
普通の食事しかしてないのに赤黒いのを薄めたような吐瀉物が出た。
色々聞きたかったが一通り吐くと疲れたのか急に眠気が襲ってきて、俺は母の側でそのまま寝てしまった。
祖父は多分何も言わずに帰ったと思う。
叔父妻は俺の一族の似た業に惹かれて叔父と結ばれたんじゃないかと、祖父に訊いたことがあると書いた。
祖父は「確かに似てはいるが、まったく別のもの」だと言った。
何というか、叔父妻の血の業は酷すぎるらしい。
俺の一族の、こんなあからさまに男親の縁が薄いというのも
よく考えてみれば結構異常なんだけど、重さが違うと。比べ物にならない。
これは祖父の推測だけど、俺の一族の業は、一族の昔の一部の悪人か、あるいは外からもたらされたり、悪いことをやらされたりしたようなもの。
誰かの命令だろうが悪事は悪事なんだけど。まあただ、一族の中には悪人もだけど善人も同じくらいいて、ただその悪人の"悪"が過ぎた結果ではないかと。
業っていうのは色々なことが重なって、しかも魂が前世の業や徳も受け継ぐものだから、一概に言えないし説明が難しいんだけど。
それで、叔父妻の一族の方は一族揃って、分かっていて(好んで)悪事を働いた、ということらしい。
こういうことに関わっていると(祖父は生まれつき霊感っていえばいいのか、そういうカンのようなものが鋭く、人から相談を受けることもあった)
祖父なんかは現在の状況から大体昔の業の推測がつくらしく
(分かりやすいものでは、女性の精神異常が多いのは昔一族で動物を殺すような呪術を行っていたり。)
叔父妻の一族はざっと人間同士の虐殺、おそらく上に例としてあげた"動物系の呪術"
相当むごいことをしていたに違いないと。
その後すぐSの祖父、つまり叔父妻の父が死んだ。まるでミイラのように乾いて死んでいたらしいが
俺は見ていないし、祖父に聞いた話だから分からない。
でも祖父がそんな嘘をつく人間だとも到底思えない。
前に書いたが最近は叔父妻の兄が変死した。(内容についてはよく知っているが身バレになりそうなので伏せます。)
そういえばあのA村、唯一四軒だけ人の住んでいる家のその住民は
みんなバアサンで、男がいなかった。
あの村で最後の男がおそらく叔父妻の父と、兄だったんだろうと思う。
兄は仕事で街の方へ出た人だったんだが、逃れられなかった。
叔父妻の子ではあるが、祖父の血筋でもあるのでSは大丈夫だと思う。
だがSも精神的におかしくなってしまった。
それもあり、今では叔父妻達との関わりは一切たっている。
俺が小学生の時見たあの血のかたまりは、何か呪術に使われたものだろうと祖父が言っていた。
さすがにあの村ともいえない場所で、未だそれが続いているとは、まさか祖父も思わなかっただろう。
祖父の部屋の屏風?の前の更に、札のような紙が二枚置いてあるんだが、片方が突然黒く変色したらしい。
一枚は俺で、一枚はS。万が一"そういうこと"で孫の身に何か起こった時、すぐ分かるように
俺やSが赤ん坊の頃に作ってたそうだ。
まとめきれんが時間がきたので、ちょっと行ってきます。
先のことを簡単に書くと
あの俺が見た骨壺を依りしろにした得たいの知れない呪術はまだ続いていて
ちょっと事情があってI家の叔父妻達の部屋を訪れることがあって、そこにあの骨壺があるのを見たんです。
あれをあんな風にゴミの間に放置しているのが異常だと思った。
帰りにすぐ祖父に言おうと思ったんですが、祖父は祖父の実家(寺)の用事で出掛けた後で
それからすぐ祖父はいなくなり、次回言うというチャンスはなくなってしまいました。
俺は今はとりあえずK町を出て、母と街に住んでいるんですが
出る前にはもう、K町に異常が出ていて、男ばかりが死ぬんです。
子供は大丈夫なようでしたが、老人から若者まで、みんなおかしいおかしいと言いつつも、決定的に異常だとまだ気が付いていないと思います。
あの骨壺はどうなったんだろうか。
祖父があの後どこかへ持っていき、最悪自分の命ごと、なんとか始末しようとしたのだと思っていましたが
祖父がいなくなった後にこの事態。
叔父妻の父母も冷蔵庫にあんなものを置いていて、叔父妻も余りにもずさん。
代々続いてきた呪術の代償なのか何を考えているのか分からない。
ただいつも薄ら笑っていて、危機感なんてものはないんだと思う。
そんなことだから、A村からいよいよ人がいなくなりかけて
せめてちゃんと管理する人間もなく、一体今あれがどこにあるのか。
最近Sが精神病院の閉鎖病棟に入ったと聞いて、思い出した次第です。
Sがおかしくなった時のことなども書こうと思っていたんですが
思ったより内容が多く書ききれませんでした。書き方も雑ですみません。
付き合ってくださった方ありがとう。また機会があれば。

